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TOP > トピックス > 「『読解力』は中学が活性化する切り札」文科省教育課程課長が発言
2006年6月30日
6月24日横浜国立大学教育人間科学部附属中学校(以下、横浜国大付属中)で研究発表会「『読解力』でカリキュラムマネジメント」が行われ、常盤文科省教育課程課長はその講演のなかで「『読解力』は全国の中学が活性化する切り札」と発言しました。
この場合の「読解力」とは、「PISA型読解力」を指します。これは、テキストを分析的・批判的に解釈した上で、自分なりの表現を行う作業のことで、言うまでもなく今までの国語における読解力とは意味が異なります。
その「PISA型読解力」がなぜ、中学を活性化するかと言えば、それは教科横断的に取り組めるテーマだからです。「生きる力」をつけるための総合学習が、小学校に比べ中学校でなかなか充実しないのは、中学の教師が専科だからです。「PISA型読解力」は、この専科の壁を打ち破る格好のテーマなのです。
横浜国大附属中の研究発表会では、国語はもちろん、社会、数学、理科、英語、技術家庭、音楽、美術、保体とすべての教科で、「読解力」に関する授業が行われました。社会科では、世界地図を読み取りながらその国の言葉であいさつをしたり、時差を計算したりしました。数学では、二次方程式をつくり解を求めた上で、それを説明します。理科では実験を計画・実行し、レポートをまとめます。また、美術では戦略的にカラーイメージを考え、保体ではバレーボールの練習を通し、チームの課題を見つけ対応を考えます。
国語では、新旧の教科書を比較、違いを見つけ編集意図や時代背景を考えます。与えられたものをそのまま受け取るのではなく、批判的に読み取りそこに自分だったら、というアイデアや意見を付け加えます。授業によって完成度に差を感じましたが、それでも日本の子どもが弱いとされた「PISA型読解力」を養う試みが、確実に動き出したことを感じました。
(古川隆研究員)