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2006年9月28日
9月13日 文部科学省は、小中高等学校について、「平成17年度生徒指導上の諸問題の現状について」を発表しました。このうち注目すべきは、小学校の校内暴力が前年度比6.7%増の2,018件となったことです。中学の23,115件と比べればその1割に過ぎないのですが、2002年から3年連続で上昇し過去最高となっています。とくに、対教師暴力が前年比38%増加で、生徒間暴力(前年比マイナス4.1%)や器物損壊(同7%増)に比べ顕著な傾向が出ています。
2002年といえば、ゆとり教育から学力向上策に大きくシフトした年です。授業時数が増えたことなどによるストレス増加が原因とみる専門家もいます。
しかし、ある現場の先生(横浜市)は、次のように別の理由を挙げています。
「学校の縛り」は一般の大人が考えているほど多いわけではなく、今の子はそれほどストレスを抱えていません。むしろ原因は、善悪に対する意識が低く、快・不快で行動するケースが多いことです。自分の思い通りにならないことや、注意されムカつくといったことですぐ「キレル」というわけです。対教師暴力の増加の原因は、そうした学校と家庭の区別なく行動する「オレ様化」した小学生が増えていることにあるとその先生は言います。
別の先生(千葉市)は、そうした「オレ様化」した子どもの家庭は、学校に無理難題を押し付ける傾向にあり、それも特定の家庭の子、特定の地域で起こっていると言います。現に、学校と地域による行事の多い小平のある小学校では、こうした校内暴力は全く起きていないと言います。
データによれば、暴力行為のあった小学校は全国で725校で全体の3.2%に過ぎません。文科省は、2004年6月の長崎県佐世保市の「小6児童殺害事件」などを受けて、「ゼロトレランス(不寛容)*方式」調査研究を進めており、「特定の子」に対する対応の検討を進めています。
(古川隆研究員)