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トピックス 学校教育

2006年10月16日

『キレ』ても「誰にも相談しない子」が激増!

 対教師暴力が増えている、というデータが文部科学省から発表されましたが、「学研小学生白書2005~2006」(学研の「科学」「学習」の読者調査)にも、関連して興味深いデータがあります。

 「学校でキレた」「キレそうになった」ことはあるか? という質問に、「よくある」と答えた児童が8%、「時々ある」と応えた児童が38%、合計する児童の半数近くがそうした経験があると答えています。このときどんな行動を取るか、1999年と2004年を比較したデータがあります。

 まず、「口ごたえ、口げんかをする」という子は99年の55.4%から、04年の61.4%に増える一方、「暴力をふるう」子や「何かをこわす」という子は減少、非暴力的な傾向が強くなっています。(前者が43.9%→22.4%、後者が6.6%→1.5%。文科省のデータとは傾向が異なっていますが、これは母集団の違いよるものと考えられます)

 しかし、「親や友だち、先生に話す」子が43.9%→22.4%と半減、「キレ」ても内にこめる子が急増していることがわかりました。門脇厚司・筑波学院大学学長は、今の子は「他者への無関心と無関与」の傾向が強く、他の人が何を考えどんな気持ちでいるかまったくわからなくなっている子が増えていると解説しております。

 その原因としては、他者とコミュニケーションをとろうと言う意欲の減退や、コミュニケーションの言葉(ボキャブラリー)の不足などが考えられますが、さらなる調査が必要です。

(古川隆研究員)

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