お江戸を拝見

東京都水道歴史館

こちらは文京区本郷にある東京都水道歴史館。東京の近代水道完成当初(明治31年)から続く本郷給水所がすぐとなり、神田上水の懸樋が神田川にかかっていた水道橋もごく近くという、水道の歴史にゆかりの深〜いお土地がら。
1階では近代水道の、2階では江戸上水の歴史と技術を数々の展示で見られる。このページでは、落語『水屋の富』の時代の上水設備を、出土品や図面、模型で、ちょっと拝見!

●羽村堰(はむらぜき)(『上水記』より)
現在の羽村市にあった、玉川上水の取水堰のようす。多摩川は右側が上流、左側が下流。左の下に伸びているのが玉川上水。ここから四谷大木戸まで、およそ43キロメートルある。

●御茶ノ水の懸樋(かけひ)(模型)
神田川の上に懸けられた、神田上水の水を渡すための水道の橋。写真の左側(現在の文京区)から右側(同・千代田区)に給水されている。現在のJRの駅名にもなっている“水道橋”の地名は、この懸樋が由来。左下に見えているのが、地下に埋められた石樋。

●石樋(せきひ)
石で作られた水道管。昭和62年から平成元年にかけて、文京区本郷で発掘された神田上水の石樋を、移築・復元したもの。

●木樋(もくひ)
木で作られた水道管。写真は平成3年、千代田区丸の内の旧都庁舎跡地から発掘されたもので、サイフォンの逆のしくみで、大気圧を利用して高所の水を一度低所に流し、再び高所に上げている。木樋の気密性がとても高いから、このようなこともできた。

●竹樋(たけひ)と樽
竹樋は竹の節をくりぬいて作った水道管。樽は水に混じる砂などを沈めるために使用されていた。

●上水井戸
普通の井戸のように湧水を取るのではなく、水道で流れてきた水を溜めて取るための井戸。昭和57年、千代田区内幸町で発掘されたもの。

●上水井戸と長屋(模型)
江戸の町人の多くは長屋に住んでいた。長屋には必ず共同の井戸が設けられていた。模型はさおつるべで水を汲み上げているところ。

●上水井戸と長屋(再現)
展示室内に実物大で再現されている、上水井戸と長屋。井戸近くに立つと「井戸端会議」の声が聞こえてくる。右の地面に見えているのは下水のどぶ板。長屋の中は、大工職人の部屋や、傘はりの内職をする浪人の部屋が再現されている。


●水瓶と桶
上水井戸から汲み上げた水は、水瓶や桶に移して室内におかれた。

取材協力 = 東京都水道歴史館