解説 お江戸の科学
古紙回収業 → 古紙問屋 → 漉き返し業者
紙屑買い:紙屑買いは「買い出し人」で、天秤棒を担いで家々を回り、使用済の不要になった反古(ほご)紙や古い帳簿類など紙屑を秤にかけて買って、古紙問屋に売る。ついでに古着や古鉄なども買った。古紙類は古紙問屋から漉き返し業者に売られ、紙が再生される。 紙屑拾い:紙屑拾いはカゴを肩にかけ、町中に落ちている紙屑を拾い集めて古紙問屋に売る。こちらは日銭を稼ぐ「拾集人」で、紙屑買いとは全く別の職業。ボロも拾うが、これも紙漉きの原料になる。
■紙問屋 百年ほどで劣化する洋紙(酸性紙)に比べ、和紙(中性紙)は純粋な植物繊維だけで作られているため、数百年してもあまり変質しない。左の図は、江戸時代の紙問屋の引き札(広告)。
古紙の回収
江戸時代、紙は貴重なものだったため、一度使われた紙はすべて回収され、汚れ具合によって選り分け、再生(漉き返し)された。(落語「紙屑屋」の主人公はこの選り分ける仕事をしていた。)古紙の回収から再生までは、回収業者、古紙問屋、漉き返し業者と、分業化されていた。