第一回
ベキバキッ!
窓はバラバラになって、雪の上に落ちた。
「……………………………………あ?」
実は。
騎士団本部では知らない者がなかったが、このプリアモンド、武術以外のことにかけては信じられないくらいに不器用である。
食事の時に、パンを切り分けるのさえ命がけ。
洗たくをさせれば、高級な服もたちまち雑巾。
そばに近づくだけでも物がこわれる、と言われているのだ。
「ああっ!」
「ま、窓が!」
「と、取れた?」
三人の騎士はあんぐりと口を開けた。
「す、すまない」
十二枚の板切れに分解した窓を地面に置くと、プリアモンドは消え入りそうな声で謝った。
「ま、まあ、窓が壊れても暖炉があるから」
プリアモンドは後輩たちの視線をやり過ごすように、丸太小屋に入ろうと扉に手をかける。
ボキッ!
今度はドアノブが折れた。
ドアノブがなければ、扉を開けることは不可能。
これではしんしんと雪が降る中、窓から出入りし、毛布に包まって寒さをしのぐしかない。
「……近くの村から職人を呼んできて、直してもらいますよ」
一番年下の騎士が、ため息をつきながら自分の馬を引っ張ってきた。
「もう何も触らないでください。いいですね」
隊長はプリアモンドに念を押す。
「……はい」
プリアモンドはゴブリンのように小さくなって答えた。