WEB限定 書き下ろし小説

見習い騎士の悩み

2

「さてと」

プリアモンドはレンの方を振り返った。
「どうも動きが鈍いようだな。騎士団から与えられた剣は、君には重すぎるんじゃないか?」
「う〜ん。かも知れない」
レンは渋々認める。
「しょうがないよ。まあ、もう少し背が大きくなったら、普通の剣でも使えるようになるって」
エティエンヌがレンをなぐさめた。

「ああ。それまでは、別の武器を持たせた方がいいだろうな。でないと任務で出動した時に、足を引っ張られる」
リュシアンが眉をひそめる。
「だよね」
レンは肩を落とした。

「では、どんな武器がいいか、考えるとするか」
サクノス家の三兄弟は、レンを連れて、本部地下の武器庫に向かった。

 

武器庫に入ると、プリアモンドはざっとあたりをながめてから、幅の広い剣を手に取った。
「これはどうだ? 当たれば一撃で相手を倒せる」
「どうだろ……って、った!」
プリアモンドがヒョイと渡した剣を握った瞬間、レンはそれを足の上に落とした。
「これ、重すぎだよ! さっきまで使ってたやつより重いじゃないか!?」
「そ、そうか? 私が七歳の頃に使っていたのと同じ形の剣なのだが」
プリアモンドは頭をかいた。
「いい加減、自分が他の人間と違うことに気がつくんだな、馬鹿力」