今月のお噺は

試し酒ある大家(たいけ)の主人が、仕事先で酒を勧められた。私は呑めないが、供の久造は強い。五升位は呑めるだろうというと、店の主人は感心して、もし本当に五升呑めたらほうびをやるという。その代わり、呑めなかったら主人が逆に散財するはめになると聞いた久造、ちょっと考えてくるといって、表へ出た。

しばらくして帰ってくると・・・「やらしてもらいやす。」「おう呑(や)るか。ささ!」ぐびぐびぐび ぷはー ぐびぐびぐび ぷはー ぐびぐびぐび ぷはー 「って本当に五升呑んじまったよ!」「お前、さっき表へ出た時、酔わないまじないでもしたんだろう?私にもそれを教えておくれ。」「なあに、五升なんて酒、呑んだことねえから、できるかどうか試しに表の酒屋で五升呑んできた。」おあとがよろしいようで。