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『小学生白書Web版』は、小学生向け学習雑誌「学習」「科学」(1946~2010年)の読者を対象に実施していた『小学生白書』の後継として、2010年以降、学研教育総合研究所が毎年実施しているインターネット調査の結果をまとめたものである。
調査内容は、家庭、学校、興味・趣味など小学生の日常生活全般にわたるが、経年変化を見るための定番の質問項目に加えて、その時々の話題やトピックスを取り上げることで、毎年特色のあるものとなっている。
今回の『小学生白書Web版』2016年9月調査は
(1)日常生活に関わる項目
(2)学習に関わる項目
(3)グローバル意識に関わる項目
の大きく3つに分けられる。
各項目の問題意識(ねらい)および内容は次のとおりである。
(1)日常生活に関わる項目
今年も例年通り、「起床時刻・就寝時刻」「好き・嫌いな食べ物」「好き・嫌いな色」「お小遣い・お年玉」「将来つきたい職業」などの定番項目を用意した。去年から設置した通信機器の利用実態についての項目では、利用サービスの選択肢を追加したことにより新たな実態が浮き彫りになった。また、通信機器の普及に伴い「テレビの視聴時間」や「読書量」などがどのように変化したのか等、小学生の時間の使い方にも着目している。
(2)学習に関わる項目
定番項目である「好きな科目・嫌いな科目」や「習い事」等に加え、今回は次期学習指導要領改訂に向けた新しい項目を設置した。昨今、学業成績と学業に対する興味関心の意識差が注目されていることを受けて、「好きな科目・嫌いな科目」とは別に「将来役に立つと思う科目」について調査を行い、それぞれのクロス分析を行った。また、次期学習指導要領改訂に向けて大きく転換しようとしている学校教育に対して、小学生が学校生活に求めるものと保護者が求めるものとの比較を行った。さらに、今後ますます求められる学校・家庭・地域社会の連携において重要な役割の一つであるPTAに対する保護者の意識も調査した。
(3)グローバル意識に関わる項目
急速なグローバル化と情報化に対応するため4技能の英語教育の充実を見据えた小・中・高での取り組みが進められているが、外国に対する小学生・保護者の興味関心はどうであろうか。今回は「海外渡航経験」や「行ってみたい国」、「留学に対する興味」等について質問した。「行ってみたい国」に関してはその理由を自由記述で尋ねたところ、外国に興味を持つきっかけは非常に様々であることが明らかになった。
他にも、2016年がリオオリンピックを終えた年であることから、2020年の東京オリンピックに向けた質問項目も用意した。
全体的な傾向の他に、学年や男女での違いに着目することで浮き彫りになるものもあった。
上記で紹介しきれなかった項目も含め、是非様々な観点からの分析に注目していただきたい。