私もバイエルで育ちました。生徒さんにもやらせたいというお気持ちはとてもよく分かります。
「古い」というのはおそらく、最初の方がト音記号の単旋律で学ぶ形式、そしてしばらくト音記号の大譜表が続く点なのではないかと思います。今は様々な音符の覚え方がありますが、大譜表の中で覚えていくのが主流になってきていると思います。中央のCから上下に広げていく方も多いのではないでしょうか。「せっかく覚えた音符も楽譜上にないと、少しずつ忘れていってしまう」、「右手だけの練習じゃつまらない」という生徒さんが多い事から、「古い!」と言われるようになってしまったのでしょう。
でもバイエルは、音楽的要素を勉強出来る曲が大変多く、メロディーラインも美しいですよね。最近はCMなどでも使われていて、お馴染みの曲も増えてきていると思います。
私も20年位前は導入教材としてバイエルを使っていました。でも幼児の導入方法(音符の覚え方など)を少しずつ変えてきた結果、現在では抜粋して使用しています。もしかするとバイエルさんは順番もこだわって曲集を作ったのかもしれないので、失礼かもしれませんが……。
もちろん、バイエルだけを教材で使用するわけではなく、テクニックを育てるものなどと併用しているわけですから、生徒さんには聴き馴染みのある曲をご褒美的な気持ちで学んでもらうことも可能ですね。
また、バイエルは上下巻に分かれているものが多いですが、生徒さんに必要と思われる曲が上巻の中には少なくて、親御さんに用意していただくのが心苦しい、と思われる方もいらっしゃると思います。今は、細かく何巻かに分けて発売しているものもありますので、そのような版をご案内してあげられるといいですね。
私もバイエル・ファンの一人として上手な使い方をおすすめします。
回答してくださった先生:丸子あかね先生
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