まず初めに、生徒とのコミュニケーションを大切にして、信頼関係を築くことを心がけていただきたいと思います。教えるという仕事は相手のあることですから。
先生ご自身が初めてピアノを習われたときのことを思い出していただくのも悪くないですね。どんなことが良くて、どんなことが嫌だったのか…? 今度は“教える” という反対の立場に立たれるわけですから、ご自身の経験が反面教師となって役に立つのではないでしょうか。
一般的なところでは、以前「生徒が望む先生像」について簡単な調査をしたときのこと。希望の第1には「親切な先生」や「面倒見のいい先生」が挙がりました。「教えるのに熱心な先生」でも「教え方の上手な先生」でもなかったのです。
確かに、ピアノの勉強は主に“個人レッスン” ですから、教室の授業で大勢の生徒を相手にするのとは違う、濃密な人間関係を維持する必要があります。ですから生徒の性格、性質、ひいては家庭環境なども早目に把握し、できるだけ丁寧に親切に対応し、良好な関係を保つようにしたいですね。
なお、幼い生徒の場合は、とくに保護者の方とのお付き合いを大切にしてください。保護者の方のご協力がなければ、レッスンがスムーズにできないからです。
これからはさまざまな事に突き当たると思いますが、細かいことにあまりこだわらず、長 いお付き合いを続けられるようになさってください。
【回答してくださった先生:伊能美智子先生】
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