即興演奏にはいろいろな種類があります。
◆通奏低音のように、和音を示す記号を頼りに、旋律に伴奏をつけていくもの
◆ジャズのように、決められた構成や和声進行の中で、旋律を自由に羽ばたかせるもの
◆現代音楽などで、作曲家独自の記号や図形楽譜から奏者がイメージした音を表現するもの
など…
即興演奏がしてみたい、けれど何からやったらいいのかわからないという場合は、はじめにモチーフと簡単な枠を決めてみることをおすすめします。
例えば、モチーフを
和声進行を
と進行する8小節の枠を設定します。
この進行に沿って、ひとまとまりで、モチーフを弾いてみましょう。モチーフは、1回登場するだけでは意味がありません。2回、出来れば、3回めには短縮して変化をつけて、登場させてみましょう。
いきなり両手で弾くことが難しく思えるかもしれませんが、和声と一緒に響きを感じると、不思議とメロディがきこえてきます。左手は、和音の全音符でもいいので、和声の響きを聴きながらメロディを作ってみましょう。慣れてきたら、和音の種類を増やしたり、中間部を足して構成をふくらませたりして、徐々に広がりを持たせてみましょう。
構成なんて堅苦しい!という場合は、モチーフだけきちんと定めて、それを何度も登場させながら1分間弾き続ける、ということも楽しいものです。私自身この方法でよく遊んでいました。
怖がらず、まず鍵盤で自由に遊んでみることがいちばん大切です。
【今月号の回答:轟 千尋先生】
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