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【図37】授業中に自分の意見を言うことが得意ですか。
これからの社会を生きていくうえで必要な力として、教育課程において「思考力」「判断力」と並び重視されているのが「表現力」だ。表現には様々な形があるが、小学生にとって最も身近な表現活動の一つは「授業中の意見発表」だろう。そこで、小学生が意見発表についてどのように捉えているかを尋ねてみた。
「授業中に自分の意見を言うことが得意ですか」という質問に対して、全体の66.6%が「得意」または「少人数に対してなら得意」と回答しており、全体の約3分の2の子ども達が一定程度は得意意識を持っていることが分かる。
男女比では、「得意」な男子は34.5%、女子は26.7%と、性別による差が目立つ。女子は学年が上がるにつれ「得意」の回答が減る傾向にあり、小学6年生女子になると18.0%まで減少する一方、「苦手」が45.0%まで上昇している点は気になる。
グループディスカッションやプレゼンテーションといった発表型の学習活動の機会は、学年が上がるにつれ増えてくる。しかし、そのような学習活動が「得意」という意識に繋がっていないとすれば、意見発表のスキルを身につける機会をさらに増やしたり、発表しやすい雰囲気をつくったりするなどの学習環境の整備が求められる。
ところで今回、「少人数に対してなら得意」という選択肢を設けたが、これは「大勢の前では苦手」と言い換えることもできる。そのように捉えると、全体で見たときに約69.4%が何かしらの苦手意識を抱えていると言える。「アクティブ・ラーニング」に象徴されるアウトプット型の学習が叫ばれて久しいが、表現力の育成は容易なことではなさそうだ。