第七回
茶色の髪(かみ)をした、人なつっこそうな笑顔の少年が、ベルたちのほうにやってきた。
「アンリ先生から話は聞いている。先生は今、王女様のよび出しで城(しろ)に出かけてるんだ。代わりにぼくがこの『星見の塔』を案内するよ」
「あ、あ、あの……あなたは?」
少年を見つめるベル。
左右のほっぺたが、ほんのり赤い。
「ぼくはレン。アンリ先生の……助手って感じかな?」
レンはちょっと照れくさそうに言った。
「まず、一番上の実習室から見ていこう。ついてきて」
「は、はい、レン先輩(せんぱい)。よ、よろしくお願い……します」
ベルは目をふせると、静々とレンの後についてゆく。
「……あいつ、どうしたんだ?」
ついさっきまでとは全然ちがうベルのたいどに、ショーンは首をかしげる。
「みょうにしおらしい……ていうか、うす気味悪いぞ」
「あれは……ぞくに言う……一目ぼれ……」
アーエスは肩(かた)をすくめた。
「一目ぼれ?」
まさか、という顔をするショーン。
「あの助手よりも、ぼくのほうがずっとかっこいいと思うのだが?」
「それは……完全に……気のせい……」
アーエスはそう言うと、すたすたとベルたちに続く。
「ちょっと待て! 今のは聞きずてならないぞ! 断固こうぎする!」
ショーンもあわてて、みんなの後を追った。