第七回
アンリに送られて、『星見の塔』から家に向かう帰り道でのこと。
「あ?あ、これであたしたちも、あの『星見の塔』の生徒かあ」
口ではそう言いながらも、ベルはワクワクした様子をかくせなかった。
「うむ。このサクノス家の人間が通うのだ。学校としても名誉(めいよ)なことであるな」
ショーンも肩(かた)をすくめて見せるが、花だんのことを思いだし、ひょうじょうがゆるむ。
「ご飯が……たくさん……食べられる……ただで……」
さっきからアーエスの頭には食事のことしかないようだ。
「まあ、新入生同士だし」
ベルはショーンをふり返り、ちょっと照れくさそうに黒髪(くろかみ)をかき上げた。
「あんたがつけ上がらなければ、友だちだと思ってあげてもいいんだけど?」
「こっちも友人としてあつかってやらなくもないぞ。いだいなるサクノス家の人間は、実にかんだいだからな」
うで組みをし、ふんと鼻を鳴らすショーン。
「ついでに、そっちのアーエスも友人にしてやるので、感しゃするといい」
「わたしは……別に……どうでもいい……」
アーエスは本当に、どうでもいいと言う顔だ。