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「ほんとに大丈夫なの?」
日が暮れて。
夕食を食べに来てカウンターに座ったトリシアは、カナルたちが働いているのを見て、思わずセルマにたずねていた。
「まあ、勢いで働いてもらうことにしたんだけど……どうだろ?」
浮かない顔のセルマは、早くも後悔しているようである。
とはいえ。
「おお、きれいな子が入ったね~」
「まあ、お上手ですね」
メデューサは、デレ~ッとした顔になるお客さんに笑顔を返し――。
「おお、きれいな子が入ったね~」
「まあ、お上手ですね」
メデューサは、デレ~ッとした顔になるお客さんに笑顔を返し――。
「これ、うまいぞ、お前も食え!」
カナルがしっぽを振り、今日のおすすめメニューをお客に説明している。
今のところ、何も問題はないようだが……。
「で、フィリイたちは? クビにしたの?」
トリシアは身を乗り出し、声をひそめた。
「それもかわいそうな気がするんだよね」
と、セルマ。
「けど、6人も雇えないでしょ、ここ?」
「そうなんだよ」
セルマはお店の隅っこの方に目をやった。
そこにはアーリン、フィリイ、フロイラインがかたまって座っていて、元気に働くメデューサたちをジ~ッとながめている。
「……何か、悪いことたくらんでないといいんだけど」
トリシアが心配そうにつぶやいたその時。