さてさて、日食も終わり、ジメジメーっとした季節がやってきました。こんな時は、乾燥した国に国外逃亡したくなるけど……締め切りが近いし、無理だなー。てな訳で、今回最初の質問は、っと。
- トリシアはなんで医者になろうと思ったの?
- ??くわしくは『トリシア、ただいま修行中!』を読んでもらうとして。いちおう、君の口からも説明してくれる?
- ☆.。:* トリシア
「ウン。やっぱり、小さな命を守りたいと思ったからかな? それに、わたしは心でいろんな生き物と会話できるでしょ? そういう力を生かせる仕事がいいなあって思って」
- ☆.。:* レン
「まあ、他にできることもなかったし」
- ☆.。:* トリシア
「むっ! そういうレンは、いまだにアンリ先生の助手じゃない? あんまり役に立ってないけど」
- ☆.。:* レン
「役に立ってるって! それに、僕は魔法も使える戦士を目指してるんだよ! まだまだ修行中!」
- ☆.。:* トリシア
「あのねえ、そもそも戦士って何よ? 騎士ならともかく、職業じゃないわよね? まるで発想が子供なんだから」
- ☆.。:* レン
「ううう……」
- トリシアは治癒魔法が得意だけど、レンやキャットはどうなの?
- ??この質問には、レンから答えてもらおうか?
- ☆.。:* レン
「それほど専門的じゃない治癒魔法なら、僕も使えるよ。でも、大怪我を一気に直しちゃうような魔法は無理だね」
- ??ちょっとした切り傷や火傷の手当てはできるけど、入院しなきゃいけないような病気の手当てはできないってことか。
- ☆.。:* キャット
「浄化の魔旋律ぐらいなら、私も使えますわ」
- ??キャットの治癒魔法? なんだか、よけい悪くなりそう。
- ☆.。:* キャット
「し、失礼ですわね!」
- ??アンリ、『星見の塔』では、治癒魔法をどのくらい教えてるんだい?
- ☆.。:* アンリ
「基礎的なものは、『魔法実技初歩』の授業で教えることにしてるよ。だから、ベルやショーンたちでもできるはず……だけど」
- ??ちゃんと授業を聞いてて、覚えていれば、だね?
- ☆.。:* アンリ
「あははは……」
- なんでトリシアは魔法が下手なんですか?
- ??って、質問が来てるけど?
- ☆.。:* トリシア
「ぐぐっ! わたし、下手じゃないってば!」
- ☆.。:* レン(爆笑しそうなのを堪えながら)
「それはどうかなー? 治癒魔法以外だと、やっぱり失敗する回数の方が……」
- ☆.。:* トリシア(ムッとして)
「意地悪は吹っ飛べ! 怒りのバラク・ティール!」
- ドッガーン!
- ☆.。:* トリシア
「ほらね? ちゃーんと命中したよ。いつでも大成功!」
- ☆.。:* レン
「……たたたた! 暴力反対!」
- ☆.。:* トリシア
「戦士志望のくせに?」
- ☆.。:* レン
「僕は正義の戦士だから、無益な暴力は使わないの!」
- ☆.。:* トリシア
「……発想がほんとに子供」
- マーメイドに言われて答えたってことは、やっぱりレンはトリシアが好きなんですよね? トリシアもレンに憧れているだけで、本当はレンが好きなんじゃないですか?
- ??これは二人に答えてもらおうか、正直にね?
- ☆.。:* レン
「ええっと……」
- ☆.。:* トリシア
「レンは友だちよ! ただの! 幼なじみだからちょっとだけ、ほんのちょーっとだけ付き合いが長いけど! だいたい、レンなんて頼りないし、子供っぽいし、ナマケモノだし、優柔不断だし、年上の美女を見ると、すぐに鼻の下のばすし!」
- ??……レン、えらい言われようだな?
- ☆.。:* レン(頭をかいて)
「なんか、最近慣れちゃって……」
- ??哀れなやつ。
- トリシア、レン、キャスリーン、ベル、ショーン、アーエス、アンリ、アムレディア、プリアモンド、リュシアン、エティエンヌ、セルマ、フェリノール、おしゃべりフクロウ、ヴォルド、マイルズ、シャーミアン、ソリスに質問です。一日だけなれるとしたら(人と職業)何になりたいですか?
- ??ほぼ、レギュラーの全員に質問だね。それじゃあトリシアから順番に答えてもらおうかな?
- ☆.。:* トリシア
「えー、なんだろ? 一日だけでしょ? 普通に考えたらアム王女とか、ソリスだけど、一日だけなら、フィリイになってお皿を割りまくるのも楽しいかも。お仕事だったら、騎士かなあ。何やってるのか、興味あるから」
- ??皿を割りまくるって……。たまーにマトモな方法でストレス解消した方がいいぞ。次はレンだけど、魔法も使える戦士ていうのはなしだからな。さっき職業じゃないって、トリシアに言われたろ? それに将来の話じゃなくて、一日だけって話だから。
- ☆.。:* レン
「そ、そんなー。……ちょっと考えるから待って」
- ??じゃ、先にキャットに聞こう。
- ☆.。:* キャスリーン
「もっちろん、私は第一王女、お姉さまになりたいですわ!」
- ??つまり、仕事として第一王女、人物としてアムってことだね?」
- ☆.。:* キャスリーン
「ええもう、第一王女になれば、もう何でも好き勝手やり放題……」
- ☆.。:* アムレディア(いつの間にかキャスリーンの後ろに立って)
「あらあら、あなたは私のことを、そういう目で見ていたのね?」
- ☆.。:* キャスリーン
「げっ! い、いらっしゃったのですか?」
- ☆.。:* アムレディア
「注意力が足りませんね。ちょっとこっちへ」(キャスリーンの腕をつかむ)
- ☆.。:* キャット
「きゃあああああああっ!」
- ??ま、自業自得か。じゃあ、今度はベル。
- ☆.。:* ベル
「あたしはあたしで満足しているんだけど……まあ、確かにアム王女になるのも悪くないわね。職業ってことなら、大貴族ね。だって、ショーンを見てると、わがままなアホでも大きな態度で生きてけるみたいだし」
- ??貴族でも立派な人はいるんだぞ。たまたま、知り合いにはヴェルナーとか、セドリックとか、変人しかいないけど。てことで、わがままでアホで態度の大きいショーンは、何になりたい?
- ☆.。:* ショーン
「なりたい職業なら、当然、騎士団員だ! って言うか、わがままでもアホでもないし、態度も大きくはない!」
- ☆.。:* アーエス
「……大きい……ビヒモスの……鼻の穴よりも……態度……大きい」
- ??アーエスに突っ込まれてどうするんだよ。でも、騎士は将来なりたいものだろ? 一日だけなるとしたら?
- ☆.。:* ショーン
「よ、よし! ならば、下品でごうまんな商人になって、インチキ商品を売りまくって大儲け。その金を無駄遣いするはどうだ!?」
- ☆.。:* ベル
「ちょっと! それってあたしへの当てつけ?」
- ☆.。:* ショーン
「ほう、そう聞こえたのか?」
- ☆.。:* ベル
「このあたしのどこが、下品でごうまんなのよ!」
- ☆.。:* アーエス
「……下品……やさぐれた……ゴブリンよりも……下品……」
- ??またアーエスが突っ込んでる。ショーン、誰か別の人になるとしたら?
- ☆.。:* ショーン
「うむ。騎士団で尊敬できるのは、父上とシャーミアン殿だが、さすがに女性になるのは想像できないので、父上かな?」
- ??なるほど、三人の兄は尊敬に値しないと?
- ☆.。:* ショーン
「しーっ! 兄上たちに聞こえたら、ひどい目にあうだろうが!」
- ??お次はアーエスの番。
- ☆.。:* アーエス
「……お仕事なら……小説家……」
- ??へえ、なんで?
- ☆.。:* アーエス
「……なまけモノで……計画性がなくて……ビンボーで……性格が悪くても……なれるから……すごく……楽そう」(←あくまでアーエスの意見です・編集部注)
- ??あ、あのな! それほど楽じゃないんだぞ! ……半分当たってるけど。で、他の人だったら誰になりたい?
- ☆.。:* アーエス
「……シャーミアン」
- ??ああ、意外とかっこいいかもね。
- ☆.。:* アーエス
「……そういう……理由じゃなくて……うちの……おししょーに……いばれる……ただひとりの……人だから……」
- ??あはは、いばってるのかあ。僕にはむしろ、振り回されているように見えるけど。次はええっと……アンリ、君は?
- ☆.。:* アンリ
「一日だけなら、吟遊詩人になってみたいな。誰かにって話なら、エティエンヌかな? いつも楽しそうだし」
- ??き、君があのスチャラカな性格になるところって、ぜんぜん想像できない。続いてアム。君は何になりたい?
- ☆.。:* アムレディア
「そうね。……普通の女の子、かしら?」
- ??なるほど、自分は普通じゃない、特別だと?
- ☆.。:* アムレディア
「あなたはどうしてそう、ひねくれた取り方をするのですか!?」
- ??誰かになるんだったら?
- ☆.。:* アムレディア
「それはもう、トリシアね。街の人やいろいろな動物のために一生けんめいなところは、とても素敵だと思うもの」
- ??な、なんか優等生的な答えで面白くないなあ。
- ☆.。:* アムレディア
「あなたを面白がらせるために答えるのではありません! それとも、久しぶりに地下牢に入りたいのですか? 今なら涼しいですよ。少しばかりジメジメしていて、かび臭いですが」
- ??つ、次は三兄弟に行こう! まず、プリアモンドから。
- ☆.。:* プリアモンド
「仕事なら旅人」
- ??ロマンティックな発言のところ悪いんだけど、旅人は仕事じゃない。
- ☆.。:* プリアモンド
「う。となると……楽師かな? ほら、私はリュシアンと違って、楽器ができないけれど、一度ぐらいは弾いてみたいじゃないか?」
- ??ちなみに、楽器は?
- ☆.。:* プリアモンド
「ギターかな? 君は持ってるんだろう?」
- ??四本ほど。でも、あげない。
- ☆.。:* プリアモンド
「けち」
- ??誰かになるとしたら?
- ☆.。:* プリアモンド
「アンリはどうかな? 魔法使いになるのも面白いんじゃないか?」
- ??なるほどね。じゃあ、リュシアンは何になりたい?
- ☆.。:* リュシアン
「そっちの世界の職業でもいいか?」
- ??なるほど、面白いからいいよ。
- ☆.。:* リュシアン
「私立探偵という仕事が興味深そうだ」
- ??小説の中だと、いろんな事件に巻き込まれるけど、実際はけっこう地味な仕事だぞ?
- ☆.。:* リュシアン
「ならば、特殊部隊の隊員だ」
- ??それじゃ騎士団と大して変わらないだろ?
- ☆.。:* リュシアン
「文句の多い奴だな」
- ??誰か他の人になるんだったら?
- ☆.。:* リュシアン
「父だ。小うるさいシャーミアンを黙らせることができる」
- ??そういうことばかり言ってるから、シャーミアンが怒るんだろ? エティエンヌはどんな職業をやってみたい?
- ☆.。:* エティエンヌ
「えー、なんだろ? ドラゴン?」
- ??ドラゴンは職業じゃないだろ?
- ☆.。:* エティエンヌ
「じゃあ、アールヴ」
- ??アールヴも違う!
- ☆.。:* エティエンヌ
「……猫は?」
- ??猫、どう考えても職業の訳がないって!
- ☆.。:* エティエンヌ
「えーっ! だったら……怪盗!」
- ??騎士が怪盗になってどうするんだよ!? 問題だろ!
- ☆.。:* エティエンヌ
「いいでしょー、楽しそうで」
- ??君は十分、今のままで楽しそうだから。で、人だったら誰になってみたい?
- ☆.。:* エティエンヌ
「ショーン! ショーンになって、僕と遊ぶの!」
- ??……あのさ、君がショーンになってるのに、どうやって?
- ☆.。:* エティエンヌ
「だって、僕がここにいて、僕になったショーンは……あれ……あれれ?」
- ??な、なんか、非常に疲れた気が……。次はセルマの番。なるべくマトモに答えてね。
- ☆.。:* セルマ
「職業ってことなら、そうだね、花屋なんかいいかも」
- ☆.。:* ショーン
「花屋、いいな! 僕も花屋にするぞ!」
- ??君にはさっき聞いたから引っ込んでて。それにしても、セルマみたいな態度の大きい花屋って……」
- ☆.。:* セルマ
「悪かったね!」
- ??他の人になるとしたら?
- ☆.。:* セルマ
「んー、たとえばさ、アムになったら……」
- ??若返りたいと?
- ☆.。:* セルマ
「しまいにゃ殴るよ!」
- ??お次はフェリノール。君にも質問が来るなんて久しぶり。
- ☆.。:* フェリノール
「出番が少ないのはお前のせいだろう?」
- ??まあ、フェリの場合、王都にいるのは一年の半分ぐらいだし。
- ☆.。:* アンリ
「それでも、アールヴとしては、人間の世界になじんでいる方だよ。たいていのアールヴは、自分たちが住む森から外に出ようとしないからね」
- ??フェリが人間の街でウロウロしてるのって、何か森に帰りづらい事情が?
- ☆.。:* フェリノール
「………………………」
- ☆.。:* アンリ
「あ、あるんだ……」
- ??でさ、一日、どんな仕事をしたい?
- ☆.。:* フェリノール
「船乗り。アールヴで海に出たことのある者は少ないからな。一度、広い海を船で渡ってみたい」
- ??別の人になるとしたら?
- ☆.。:* フェリノール
「猫騎士のミャオルだな。妖精の中でも、あれは特に興味深い生き物だぞ」
- ??太りたいのか?
- ☆.。:* フェリノール
「違う!」
- ??ええっと、次はっと。う、へぼ怪盗かあ。
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「だーれがへぼだああああああっ!」
- ??もういいや、こいつはさらっと行こう。で、何?
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「あんたさ、あたしにずいぶん冷たくない?」
- ??しょっちゅう人の財布を狙うからだろうが!
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「狙わないよー。小銭しか入ってない財布なんか」
- ??たまにお札だって入ってるぞ!
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「あんたね、たまにって……情けなくない?」
- ??いいから、答え!
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「あのさ、そっちの世界の『ふぁっしょんでざいなー』って、あたしに向いてると思わない?」
- ??お前な! どの口がそんなこと言うか!? ファッションセンス、最低だろ!
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「あたしのセンスは最先端のさらに三十六歩、先を行ってんの!」
- ??先すぎる! もうそれはいいから、別の人になるとしたら誰?
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「あたしは変装の名人なのよ? 別に誰にだってなれるけど?」
- ??いや、見た目だけの話じゃなく、その人になって生活するって意味だって!
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「じゃあ、やっぱ王女じゃない? 贅沢し放題だし」
- ??アムはそうでもないぞ? むしろ、普段の生活はふつうの商人よりも地味なくらいだ。
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「じゃあ、ちっこくてキーキー言ってる方で」
- ☆.。:* キャスリーン
「私はちっこくもなければ、キーキー言ってもいませんわ!」
- ??言ってる、今、言ってる。
- ☆.。:* キャスリーン
「キーッ!」
- ??じゃあ、次はへたれ盗賊ヴォルド。
- ☆.。:* ヴォルド
「は、反論できねえ」
- ??今日一日だけ別の仕事につくとしたら、何?
- ☆.。:* ヴォルド
「んー、とにかく楽してたくさん金がもらえりゃ、なんだってかまわねえ」
- ??君さ、そういう考えだから盗賊にしかなれないんだろ? マトモに考えろってば。
- ☆.。:* ヴォルド
「じゃあ……そうだな……ええっと……強盗?」
- ??盗賊と変わらないじゃないか! もういい、別の人間だったら、誰になりたい?
- ☆.。:* ヴォルド
「白天馬騎士団の騎士団長だな。ふんぞり返って威張ってられるし、女房に怒鳴られねえし、子供はピーピー泣かねえし、近所でダメ亭主って馬鹿にされねえし……」
- ??……大盗賊だった先祖が泣くぞ?
- ☆.。:* ヴォルド
「うう、反論できねえ」
- ??お次はヴォルドの相方の、悪徳商人マイルズ。
- ☆.。:* マイルズ
「ヴォルドさんの相方扱いされるのは、非常に不本意なのですが……」
- ??まあ、ともかく、何になりたい?
- ☆.。:* マイルズ
「大きく儲けられる仕事ならば、何でもいいですねー。合法、非合法に関わらず」
- ??もっと具体的に上げて欲しいんだけど?
- ☆.。:* マイルズ
「では、貿易船の船長など」
- ??ベルの父親みたいに?
- ☆.。:* マイルズ
「実はあの商会、かなりの利益を上げているようでして。マイルズ商会も見習いたいと前々から思っていたんです。ただひとつ……」
- ??ただひとつ?
- ☆.。:* マイルズ
「私、船酔いするんです」
- ??ダメだろ、それだったら。他の人間になるんだったら、誰?
- ☆.。:* マイルズ
「あの、闇の貴公子と呼ばれた、吸血鬼のギイさんですね」
- ??フィリイのお兄さん? なんで?
- ☆.。:* マイルズ
「あの方、トーテンロイト城を持っているでしょう? あの城を観光の名所として入場料を取り、さらに土産物屋を展開してグッズを売りまくるんです。
- ??さすがは悪徳商人。と言いたいところだけど、一日じゃ無理。
- ☆.。:* マイルズ
「そ、それは見落としていましたね」
- ??その調子だと、いつまで経っても大儲けは無理そうだね。ええっと、この次は……シャーミアンの番か?
- ☆.。:* シャーミアン
「……何か、嫌がってないか?」
- ??いや、そんなことないんだけさ。キツイ顔してるくせに、ぬいぐるみ屋さんとか、ファンシーショップとか言い出しそうで。
- ☆.。:* シャーミアン
「………………」
- ??ほ、ほんとにそう答えようと思ってたんだ?
- ☆.。:* シャーミアン
「い、いや、そんなことはないぞ! そ、そうだな、私はあれだ、その……服屋さん?」
- ??なんで僕の反応を気にしながら答えるんだか? けど、君が服屋でおしゃべりフクロウがデザイナー、組ませたらとんでもないことになりそうだな。
- ☆.。:* シャーミアン
「だ、誰が犯罪者と手を組むか!」
- ??で、別の人になるんだったら?
- ☆.。:* シャーミアン(ものすごく小さな声で)
「……姫」
- ??はい?
- ☆.。:* シャーミアン
「……だから、アムレディア姫」
- ??君が? お姫様のドレスが着たいからだったら大笑いだけど、まさかね?
- ☆.。:* シャーミアン
「お、お前なんか、大っ嫌いだああああああああ!」(と逃げる)
- ??あー、行っちゃった。……ま、いいか。で、次はソリスだけど?
- ☆.。:* ソリス
「あたしは小さい頃、絶対に医者になりたくなかったんだ。親が苦労してたの、見てて知ってるから。あの頃はお姫様に憧れてたけど、今だったら魔法学校の生徒かな? アンリ先生の顔、そばでずーっと見ていられるし」
- ??アムが聞いてたら、なんて言うか? で、別の人ってことなら?
- ☆.。:* ソリス
「セルマ。小さい頃から、あの人が楽しそうに働いてるの見てたし」
- ??小さい頃から? てことは……。
- ☆.。:* セルマ
「計算すんじゃないよ!」
- ??で、最後にレン、思いついた?
- ☆.。:* レン
「う、まあ。なりたい職業は、宮廷魔法使い」
- ??宮廷魔法使いってことは、アンリの代わりってこと? じゃあ、なりたい人もアンリ?
- ☆.。:* レン
「うん」
- ??けど、宮廷魔法使いってことは、王様やアムだけじゃなく、キャットにも仕えるってことだぞ?
- ☆.。:* レン
「……ちょっと待って、考え直す」
- ☆.。:* キャスリーン
「あなた! この私になんの不満があって!?」
- ??結局、レンは優柔不断なままってことか。
- おしゃべりフクロウに質問です。いつから仮面をつけているんですか?
- ??そう言えば、最初に会った時から覆面だったなあ。いつからなんだ?
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「七つの時からだよ。あたしさ、気がついちゃったのよ、その年に。鏡を見てて、『こ、これは美しすぎる! このまま大きくなったら、絶対に何百人もの男の子を不幸にしちゃう!』って。だから、その美貌を隠すために、覆面してるの」
- ??……ドロボーしても捕まらないようにだろ?
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「そーとも言う」
- おしゃべりフクロウに質問です。七つ道具はどうやって作ったんですか?
- ??七つ道具って、自分で作ったのか?
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「作る? 何言ってんのよ、あたしはドロボーよ。みーんな、盗んだの! ……ていうか、そこのビンボー作家! あたしには絶対に作れないだろうって目で見るの、止めなさいよね!」
- ??別に見てないだろ! っていうか、ビンボー作家を定着させるな! ……で、七つ道具って誰から盗んだんだよ?
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「北の山脈に、鉱山妖精の王国があるでしょ? あそこの発明家をおだてて作らせて、それを黙っていただいて来ちゃった訳」
- ??かわいそうだな、その発明家。
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「いいのいいの。だって、ほっぺにキスしてあげたし、満足してるって」
- ??僕だったら、キスされた分、追加料金取りたいところだけどね。
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「誰があんたなんかにするもんかあああああっ!」
- おしゃべりフクロウさんへ。雷雲とはいつ頃から一緒にいるんですか?
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「あの子が生まれた時からだから、もう七年ぐらいになるかなあ。知ってる? エサやって育てたの、あたしなんだよ」
- ??黒竜って、何食べるんだ?
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「んと、ふつう何やるのか知らないけど、あたしと同じもの食べさせてるけど?」
- ??い、いいのか? 動物って人間の食べ物をやると、たいていポムみたいに太るんだぞ?
- ☆.。:* ポム
「ピッピピ、ピッピピピピピピッ!(僕、太ってないもん!)」
- 雷雲の好きなところと、いつも休日は何をしているのか教えてください。
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「雷雲の好きなところって、いつもあたしの話をよく聞いてくれるところかなあ。一番の相談相手だよ」
- ??まあ、無口だから反論もしないし、反論しても君には分からないしね。で、休日には何をしてるんだ?
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「まあ、人さまの休日を狙うのが怪盗だけどさ。あたしは休みの日には雷雲といっしょにお買い物。けっこー、値切んの、上手いんだよね」
- ??確かに、なんとなく値切るの好きそうな顔。
- ☆.。:* おしゃべりフクロウ
「ちょっと! それってどういう顔よ! だいたいビンボー作家、あんたこそ、いろいろ値切った方がいいんじゃない?」
- ??……自分でもそう思う。
- アムレディア王女へ。もし魔法が使えるなら、どの魔法を使ってみたいですか?
- ??アムって、魔法がまったくダメなんだったよね? そういう人ってこの国じゃ、けっこう珍しい気がするけど?
- ☆.。:* アムレディア
「たいていの人は練習をつめば、少しは使えるみたいですね」
- ??最初にアンリに習おうとしたのがいけなかったんじゃないか? 君、アンリが相手だとムキになるところがあるし?
- ☆.。:* アムレディア
「そんなことありません! あの時は……アンリの教え方がなっていなかっただけで!」
- ☆.。:* アンリ
「僕のせい? いばりまくって、何かを習う態度じゃなかったくせに」
- ☆.。:* アムレディア
「あなたはなまいきなの! 昔っからそう!」
- ??(アムって、アンリだけには甘えるんだよなあ)と、ところでもし使えるとしたら、どんな魔法が使いたい?
- ☆.。:* アムレディア(アンリをにらみながら)
「心が読める魔法がいいわね。誰かさんの心の中にいる女の子のことが知りたいわ。何人、いえ、何十人いるのか知らないけれど?」
- ☆.。:* アンリ
「……絶対に教えない」
- ☆.。:* ショーン
「まあ、殿下は魔法が使えない代わりに、他のすべてにおいて一流だからな。上品で美しく、優しく、知的で……」
- ☆.。:* キャット
「オーッホッホッホッホッホッホッ! そんなに私を誉められても、困ってしまいますわ!」
- ☆.。:* ショーン
「こっちの王女は、魔法以外が全部ダメか……」
- レン、トリシア、三兄弟、アーエス、ベル、アンリ先生、アムレディアなどに質問です。もし告白するなら誰にしますか?
- ??これも例によって、順番に答えてね。まずはレン。
- ☆.。:* レン
「告白なんかしないって!」
- ??もしもの話だってば。
- ☆.。:* レン(ブツブツと)
「女の子って、こういう話好きだけど、男の子はそうでもないんだぞ」
- ??あきらめて答えろ。
- ☆.。:* レン
「じゃあ……………………って、やっぱダメだー!」(と、逃げる)
- ??進歩のないやつ。トリシア、君は?
- ☆.。:* トリシア
「アンリ先生!」
- ??こ、ここにも進歩のないやつが……。三兄弟はせめてマトモに答えてくれ。まずプリアモンドから。
- ☆.。:* プリアモンド
「告白かあ。今まで女性とちゃんと付き合ったことがないからなあ。告白するとしたら、この街の誰かか……この質問をくれた子に、ていうのは?
- ??おおっ! プリアモンドには珍しく、気の利いた答え!
- ☆.。:* プリアモンド
「ふだん、君は私のことをなんだと思っているんだ?」
- ??この調子で行こう。リュシアン、君は?
- ☆.。:* リュシアン
「告白がするものだとは知らなかった。常にされる方だったからな」
- ??ぐっ! 生意気な! けど、もしするとしたら?
- ☆.。:* リュシアン
「たとえ、心に想う人がいても、それを告げられない相手もいる」
- ??まあ、そういうことなら仕方ないか。エティエンヌは……先に言っておくけど、ショーンって答えはなしだからな。
- ☆.。:* エティエンヌ
「えーっ! じゃあ、シャーミアンちゃん……」
- ☆.。:* シャーミアン
「えっ!」
- ☆.。:* エティエンヌ
「……のところの熊のヌイグルミ。あれ、かわいいんだよねー」
- ☆.。:* シャーミアン
「き、貴様などに告白させてたまるかああああああ!」(剣を抜いて追いかける)
- ??まあ、こういう結果になると思ってたけどね。で、次はアーエス。
- ☆.。:* アーエス
「……ふふふ……告白……それは……呪いと……紙一重……」
- ??違うだろ! 絶対に違うだろ!
- ☆.。:* アーエス
「……アーエスちゃんが……告白するのは……ベル……」
- ??女の子に? まあ、それでもいいけど。
- ☆.。:* アーエス
「……ベルが……昨日……家の……怪談から……転げ落ちて……お尻を……打ったの……私の……呪いのせいだと……告白……」
- ??告白の意味が違う! ベルは?
- ☆.。:* ベル
「あたしはもち、レン先輩」
- ??だろうなあ。聞いてみるまでもなかった。
- ☆.。:* ショーン
「僕はだな……」
- ??待った。ショーン、君は質問の対象になっていないんだけど?
- ☆.。:* ショーン
「いいだろう、別に! だいたい、『レン、トリシア、三兄弟、アーエス、ベル、アンリ先生、アムレディアなどに質問』となっているではないか!? 『など』に、だぞ!? 僕が含まれていても、おかしくはない!」
- ??はいはい、では「など」のショーン、ついでに答えていいよ。
- ☆.。:* ショーン
「うぐぐっ! ついでとか言うな!」
- ??で、誰?
- ☆.。:* ショーン
「う。そう改まって聞かれると思いつかない」
- ??なんだ、こいつ。もう、無視してアンリに行こう。
- ☆.。:* アンリ
「僕が愛しているのは、言葉をたくさん使わなくても理解し合える人。だから、告白の必要はないよ」
- ??だ、大胆なことを言うじゃないか? アムは?
- ☆.。:* アムレディア(なぜか顔が真っ赤)
「し、知りません!」
- アーエスが呪いを好きになったきっかけはなんですか?
- ??きっかけって、何かあったの?
- ☆.。:* アーエス
「……実は……ある……月の……夜……我が前に……呪いの神が……下り立って……」
- ??でたらめはいいから。
- ☆.。:* アーエス
「では……本当の……ことを……あるところに……ショーンという……とても……意地悪な……男の子がいました……同じ頃に……魔法学校に……入った……アーエスちゃんは……まだうまく……呪波が……使えなかったのですが……ショーンは……それを……とても……馬鹿に……したのです……アーエスちゃんは……なんとか……ショーンを……見返そうと……こっそり……アンリ先生の部屋に……忍び込み……一冊の……古い……呪いの……本を……見つけたのです……それを……読んだ……アーエスちゃんは……さっそく……ためしてみることに……すると……」
- ??この話、まだ続くの?
- ☆.。:* アーエス
「もう……ちょっと……アーエスちゃんが……呪いを……ためすと……次の日……ショーンの……身の上に……不幸が……続きました……井戸に……落ちたり……ベルに……殴られたり……馬に……蹴られたり……魔法の失敗で……吹っ飛んだり……めでたしめでたし」
- ??これ、「めでたしめでたし」で終わっていい話?
- アーエスの呪い集とかあります?
- ☆.。:* アーエス
「……呪いは……みんなの……心の中に……ある……」
- ??君さ、ちょっといい話みたいな感じで、とんでもない発言してるな。でも、実際に呪いのかけ方は、時代や地方、それにかける相手によってもいろいろだからね。呪い集みたいな本はないと思うけど?
- ☆.。:* アンリ
「呪いにはいろいろと道具が必要で、その使い方などをまとめた本は、城の図書館に一冊だけあるよ」
- ☆.。:* アーエス
「……よし……私が……新たな……呪い集を……作って……」
- ??お願いだからやめて。
- ショーンって、ベルが好きなんですか? それともアーエス?
- ☆.。:* ショーン
「どっちも好きなはずがなかろう! この質問をくれた人は実際、あいつらのそばにいないからそんなことを言えるだろうが、僕は大変なんだぞ!」(と、涙を浮かべる)
- ☆.。:* ベル
「何よ、失礼ね! あたしたちが友だちだったおかげで、ただの馬鹿貴族って言われずにすんでるんじゃない!」
- ☆.。:* アーエス
「……こちらにも……選ぶ……権利が……」
- ??で、ショーン? どっちかって話だったら?
- ☆.。:* ショーン
「うーむ。まだアーエスがマシか?」
- ☆.。:* アーエス
「……罪作りな……美少女なこと……」
- ??自分で言うな、自分で!
- ☆.。:* ベル
「な、なんか、面白くないわね!」
- ??でも、どうしてアーエス?
- ☆.。:* ショーン
「そう答えないと、後で呪いをかけられるだろうが?」
- ☆.。:* アーエス
「……なんか……面白くない……」
- トリシア、レン、アンリ、シャーミアン、キャット、セルマ、アム、三人組、三兄弟に(特にアンリに)質問です。ダンスは誰と踊りたいですか? また、誰と踊ったことがありますか?
- ??では、またまた順番に答えて。最初はトリシア。
- ☆.。:* トリシア
「もちろん、アンリ先生と踊りたい!」
- ??今までに踊ったことがある相手は、レンだけ?
- ☆.。:* トリシア
「じゃないよ。お城のパーティでたくさんの人と踊ったから。三兄弟や、ショーン、フェリノール、それにアンリ先生とも!」
- ??で、踊った結果、アンリが一番、と?
- ☆.。:* トリシア
「うーん、レンはまだまだって感じ。足、三回も踏まれたし」
- ☆.。:* レン
「わ、悪かったね!」
- ??レンは誰と踊りたい?
- ☆.。:* レン
「それはトリ……って、別に誰とでもいいよ!」
- ??アムとでも?
- ☆.。:* レン(顔がこわばる)
「えっと……できればもう、遠慮したいかな?」
- ??前にアンリの身代わりでダンスして、ずいぶんと責められたからなあ。
- ☆.。:* レン
「うう、思い出すだけで身震いが……」
- ??アンリは誰と踊りたい? 君さ、舞踏会だと引っ張りだこだよね?
- ☆.。:* アンリ
「と、特に踊りたい相手はいないかな?」
- ??そんな答えは認めない。特に君にって質問なんだし。素直にアムって答えれば、後で喧嘩にならないのに。
- ☆.。:* アンリ
「後で喧嘩になるって君が言わなきゃ、問題にならないんだよ。どうしてことを荒立てたがるかな?」
- ☆.。:* アムレディア(横から割り込んできて)
「荒立てているのは、誰さんではなくて? どうせ私は、あなたにとって一番のダンス相手ではないのでしょうけど?」
- ☆.。:* アンリ
「そうは言っていないだろう?」
- ☆.。:* アムレディア
「言っているも同じです!」
- ☆.。:* アンリ
「あ、あのさ!」
- ☆.。:* アムレディア
「どうぞ、次の舞踏会ではセルマやソリスとお踊りになって。あなた、セルマと踊っているとすごく楽しそうだし」
- ☆.。:* アンリ
「それは、セルマは話もダンスも上手いからで……」
- ☆.。:* アムレディア
「私はその両方とも下手で、申し訳ありません!」
- ☆.。:* アンリ
「子供みたいなことを!」
- ☆.。:* アムレディア
「ええ、どうせ子供です!」
- ??この二人、こうなると長いからな。次、行こうっと。シャーミアン、君の番。
- ☆.。:* シャーミアン
「やはりアンリ殿だろうな。以前、彼がアムレディア殿下と踊っているところを見たことがある。彼は確かに上手いぞ」
- ??プリアモンドとかとは踊りたくない?
- ☆.。:* シャーミアン
「足を踏まれそうで嫌だ。三兄弟よりはショーン君の方がいいが、まだあと数年は身長がつり合わないな」
- ??……今、ふと思ったんだけどさ。シャーミアンってそもそもダンスできるの?
- ☆.。:* シャーミアン
「ば、馬鹿にするな! 練習すればきっとできる!」
- ??つまり、できないんだね。だったら、当然ダンスしたことのある相手もいないか。次、キャットは誰と踊りたい? 踊ったことのある相手は、王女だからたくさんいるだろうけど?
- ☆.。:* キャット(アムに聞こえないよう、ヒソヒソ声で)
「踊りたい相手は、私もアンリですわね。この私とつり合うような男性が、他にいるとは思えませんもの」
- ??セルマは?
- ☆.。:* セルマ
「あたしもアンリだねえ。確かにあの子のダンスは見事だよ。きっと、踊る相手に対して、思いやりがあるからなんだろうねえ」
- ??そう言えば、セルマって意外とダンス上手いんだよなあ。レンのダンス特訓の先生したくらいで。
- ☆.。:* セルマ
「意外とって、ずいぶん失礼じゃないのさ」
- ??どこで習ったんだい?
- ☆.。:* セルマ(頭をかいて)
「そりゃあ……昔好きだった男が……ああ、もう! いいだろ、この話は!」
- ??フェリノールは、相手としてどう?
- ☆.。:* セルマ
「ああ、あいつ? 踊れることは踊れるけど、あたし、あいつと相性がよくないんだよ。まあ、話がつまらないし、いつも不機嫌な面してるし、ダンスの相手としては最低」
- ??さてと、痴話ゲンカ終わった? アムにも同じ質問したいんだけど?
- ☆.。:* アムレディア(咳払いして)
「お誘いを受ければ、誰とでも踊りますよ。舞踏会は王女の公務ですから」
- ??あのさ、アンリをずいぶん責めたくせに、自分だって答えは同じじゃない?
- ☆.。:* アムレディア
「………………………地下牢、お好きなようですね?」
- ??こ、答えが同じでも、大いに結構です! それでは、次は三人組。まずベルから。
- ☆.。:* ベル
「レン先輩!」
- ??君の答えはいっつも同じで、ある意味、気持ちいいくらいだね。
- ☆.。:* ベル
「でしょ? あたしの愛は永遠よ!」
- ??アーエス、君は?
- ☆.。:* アーエス
「……ぷにぷにと……いっしょに……肉球ダンス」
- ??ポムと? お、踊りにくいと思うけど?
- ☆.。:* アーエス
「……なせば……なる……」
- ??ショーンは?
- ☆.。:* ショーン
「僕もシャーミアン殿とはいつか踊りたいと思うぞ。尊敬できる騎士だからな」
- ??続いて、三兄弟ね。プリアモンドは?
- ☆.。:* プリアモンド
「ダンスは苦手だなあ。できれば、何か理由をつけて逃げたいところだけど」
- ??実際にここでダンスしてもらう訳じゃないから、気軽に答えて。
- ☆.。:* プリアモンド
「意外に思うかもしれないが、キャスリーン姫はダンスが上手だぞ」
- ??へえ、やっぱり家庭教師について習ってるからかな? リュシアンは?
- ☆.。:* リュシアン
「舞踏会場に行けば、結局は全員と踊ることになる。誰かと特別に踊りたいと思うことはないな。強いてあげるとすれば、アムレディア殿下だ。殿下と踊っている限りは、他の令嬢たちに嫉妬される危険性がない」
- ??それはつまり、アムには決まった人がいるからってこと?
- ☆.。:* リュシアン
「それを口にすることはできんな」
- ??エティエンヌは?
- ☆.。:* エティエンヌ
「僕ね、ショ……」
- ??男同士はダメ。シャーミアンは?
- ☆.。:* エティエンヌ
「えー、足踏まれそう」
- ☆.。:* シャーミアン(剣を抜いて)
「き、貴様ーっ! 誰が、死んでも、貴様なんかとおおおお!」
- ☆.。:* エティエンヌ
「きゃーっ!」(と、逃げる)
- シャーミアンさんとサクノス家の三兄弟に質問です。シャーミアンさんから見てサクノス家の三兄弟の尊敬するところを、サクノス家の三兄弟から見てシャーミアンの尊敬するところを教えてください。
- ??おおーい、シャーミアン、戻ってきて。
- ☆.。:* シャーミアン(ゼイゼイ言いながら)
「な、なんだ?」
- ??サクノス家三兄弟の尊敬するところを聞きたいんだってさ。
- ☆.。:* シャーミアン
「尊敬? ものすごく難しいことを聞くな?」
- ??そうは思うけどさ。サービスってことで?
- ☆.。:* シャーミアン
「うむむ」
- ??まず、プリアモンドの尊敬できるところは?
- ☆.。:* シャーミアン
「そ、そうだな。真面目なところは、やつの長所として数えられるだろう。ただ、あまりにも真面目が過ぎて、融通が利かない石頭だとも言える」
- ??リュシアンは?
- ☆.。:* シャーミアン
「やつの音楽、文学の才能は、王都でも一、二を争うものだ。ただ、それが性格の悪さを補って余りあるものかどうかは、大いに疑問だがな」
- ??最後にエティエンヌは?
- ☆.。:* シャーミアン
「あいつはなぜか人気があるな。あいつのことが嫌いという人間には会ったことがない。ただ、私は別だ。頭カラッポのあいつよりは、まだゴキブリの方が友だちになれる」
- ??うーん。なぜか、みんな「ただ」って補足がくっつくんだね。
- ☆.。:* シャーミアン
「仕方あるまい。それがやつらだ」
- ??それじゃ、逆に三兄弟。シャーミアンの尊敬できるところは?
- ☆.。:* プリアモンド
「どこまでも真面目だな。私のことがまじめだと言っていたが、私の何十倍もシャーミアンの方が真面目だと思う」
- ??何十倍も石頭ってこと?
- ☆.。:* プリアモンド
「そうは言っていない!」
- ??リュシアンはどこが尊敬できると思う?
- ☆.。:* リュシアン
「無理やり探せということか?」
- ??そ、そんなにないんだ、尊敬できるところ?
- ☆.。:* リュシアン
「いや、そうでもない。あの恥ずかしい乙女趣味。花柄の壁紙に、ピンクのベッドの上の、くたびれたクマのぬいぐるみ。ドレッサーに隠してある鍵付きの日記帳や、ひらひらレースのスカート。俺だったらあんな部屋では半日だって生きていけない。ある意味、尊敬するぞ」(言ってすぐに逃げる)
- ☆.。:* シャーミアン
「き、貴様! どうして知っている!」(剣を抜いて追いかける)
- ??やれやれ、またかあ。じゃあ、エティエンヌ、君はどこだって思う?
- ☆.。:* エティエンヌ
「僕は、シャーミアンちゃんってすごいと思うよ。何度も試験に落ちてもあきらめないで、騎士になったんだもの。とっても意志が強いんだなあって」(と、ここでゼイゼイ言いながらシャーミアンが戻ってくる)
- ☆.。:* エティエンヌ
「でもね、でもね! さすがにあのカワイイ系のイチゴ柄のドレスとかは、あり得ないよー。本人、時々夜中にあのドレスを着て、ひとりで鏡を見てニヤーッとしてるみたいだけど」(と、一足先に逃げる)
- ☆.。:* シャーミアン
「だから貴様ら、どうして知ってるんだああああああああっ!」
- ??まあ、からかうと面白いんだよなあ、シャーミアンって。
- じゃあ最後は、サクノス家の三兄弟に連続三つの質問。まず、三兄弟のみなさんは、ショーンが誘拐されたらどうしますか?
- ??それじゃ、プリアモンドから。
- ☆.。:* プリアモンド
「始めに、その日のショーンの足取りを確認。それから犯人からの接触があれば、その要求を聞き出し、従う振りを続けながら、ショーンの無事を確かめる。犯人の割り出しにはアンリやアムレディア殿下の手を借り、騎士たちに街の中を徹底的に捜査させる」
- ??あのさ、それって誘拐事件が起きた時の捜査手順ってやつじゃない?
- ☆.。:* プリアモンド
「そうだが?」
- ??たぶん、この質問した人はそういうことが聞きたかったんじゃないと思うけど……まあ、プリアモンドに他の答えは無理か。リュシアンだったらどう?
- ☆.。:* リュシアン
「ちょうどいい。誘拐犯にはそのまま持っていってもらおうか。ただし、返品はできんからな」
- ??エティエンヌは?
- ☆.。:* エティエンヌ(涙目になり)
「探す! 探せるところ全部! 見つかるまでずーっと!」
- ??あ、あのね。これは「もしも」の話だから、そんなにオロオロしなくても……。
- ☆.。:* エティエンヌ
「だって! ショーンがいなくなるのは嫌だもん! ジョルジュみたいに!」
- ??あの、ジョルジュって?
- ☆.。:* エティエンヌ
「あのね、僕が小さい頃に飼ってた犬!」
- ??ショーン、犬と同じかあ。
- 三兄弟のみなさんは、もしショーンが兄弟じゃなかったらどうしますか?
- ☆.。:* リュシアン
「やはりそうだったのか? 昔から、あまりにもアホだから、もしかすると疑っていたんだが……」
- ??あ、あのね、これは「もしも」の話だから。本当に兄弟だよ、君とショーンは。
- ☆.。:* リュシアン
「……ちっ」
- ??プリアモンド、君はどうする?
- ☆.。:* プリアモンド
「実際に血がつながってなくても、兄弟として育ったのなら兄弟だ。今までと変わらないさ」
- ??さすが。改めて、リュシアンは?
- ☆.。:* リュシアン
「日ごろ訓練を怠っているあいつだ。血がつながっていないと分かれば手加減はいらない。徹底的に鍛えなおす……プリアモンドが」
- ??自分じゃやらないの?
- ☆.。:* リュシアン
「面倒だ」
- ??エティエンヌは?
- ☆.。:* エティエンヌ
「遊ぶ! 一緒に!」
- ??ようするに、三人とも、今までと変わらないってことだね。
- 三兄弟のみなさんは、もしショーンが妹だったらどうしますか?
- ☆.。:* エティエンヌ
「結婚する!」
- ??妹とは結婚できません。
- ☆.。:* エティエンヌ
「えーっ!」
- ??プリアモンドは?
- ☆.。:* プリアモンド
「自分でも情けないとは思うが……甘やかすだろうな。シャーミアンに訓練を任せて、女騎士に育ってもらうのもいいかも」
- ??リュシアン?
- ☆.。:* リュシアン
「女の子相手に、さすがにひどいことはできないだろう。音楽を教えるのも面白いかも知れない」
- ??ショーンって、男に生まれたのが間違いだったな……。
- ☆.。:* ショーン
「放っといてくれ!」
…ショーンは女の子に生まれたほうが幸せだったのでしょうか…?
いやいや、今のままでも十分愛されて幸せのはず、だよねショーン!?
以上、Q&Aコーナーでした!