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【図9-1】あなたの好きな料理の種類は何ですか。以下の中から当てはまるものをすべて選んでください。
小学生の食文化が多様化しているといわれるが、数世代前に比べて世界各国の料理が身近になった昨今、小学生の食文化に対する好みはどのようになっているのだろうか。「あなたの好きな料理の種類はなんですか。」(複数回答可)の結果が【図9-1】である。今年の調査によると、断トツで日本料理が72.3%と人気が高く、次いで中華料理が40.2%、イタリア料理が36.2%と続いた。これら3位までの結果は他の料理の種類と比べて人気に大きな差が出る結果となった。このことから、小学生を取り巻く食文化は依然として日本料理が主軸を担っているということがわかる。その理由として、日本料理は世代を通して引き継がれているとともに、日本料理や中華料理、イタリア料理は、他の料理の種類と比べて材料の入手や調理の敷居が低いということも考えられる。今後さらに小学生の生活文化が多様化するにつれて食文化の好みにどのような変化が見られるのか興味深い。
【図9-2】あなたの好きな食べ物と嫌いな食べ物を教えてください。以下の中から当てはまるものをそれぞれ3つまで選んでください。
【図9-3】好きな食べ物
【図9-4】嫌いな食べ物
【図9-3,4】は、設問に対し選択肢から好きな食べ物と嫌いな食べ物を、それぞれ3つずつ選んでもらった回答である。【図9-2】は好きな食べ物・嫌いな食べ物の結果を合わせたものである。
好きな料理の種類の第1位は日本料理であったが、さらに細かい「食べ物」の視点ではどのような結果になるだろうか。結果を見ると、好きな食べ物は「おすし」(39.5%)が最も多く、以下「焼き肉」(25.2%)、「ラーメン」(23.0%)が続いている。特に「おすし」については、2年生男子の約半数(48.2%)、6年生女子の44.0%が「おすし」を選んでおり、「焼き肉」に14.3ポイントと大きな差をつけた。「おすし」が好きな小学生は全体の約4割を占め、2015年10月に行った調査の結果(「おすし」(41.2%)は去年も1位)とほぼ同じとなった。変化が見られた箇所としては、去年2位の「フライドチキン・からあげ」(25.1%)が5位の22.3%に下がり、去年4位の「焼肉」(22.3%)が2.9ポイント上がり25.2%で2位となったことが挙げられる。
嫌いな食べ物については、「嫌いな食べ物はない」が53.0%と最も高く、次いで「焼き魚・うなぎ・煮魚」(16.0%)、「サラダ」(12.9%)、「さしみ」(10.3%)と続いた。2015年調査結果と比較しても「嫌いな食べ物はない」(45.6%)が1位であることに変動はなく、相変わらず小学生の約半数は「好き嫌いはない」と答えている。特に6年生女子は男子、女子他学年と比べて59.0%と最も高い割合となった。
昨年との大きな違いは、昨年はサラダ(16.8%)が「嫌いな食べ物」1位だったのに対し、今回調査では「焼き魚・うなぎ・煮魚」(16.0%)が1位となっている点である。その原因の一つとして「焼き魚」に「うなぎ」と「煮魚」を加えたことの影響が考えられる。日本料理の人気の高さを考慮すると裏腹な結果と思われるが、その分日本料理の人気を牽引している要素として「おすし」の影響が大きいものと考えられる。
「おすし」が好きと答えた割合が40.0%である一方で、「さしみ」が嫌いと答えたのは10.3%という結果は興味深いが、「おすし」の好きと嫌いの差が37.3ポイントであることに対して「さしみ」の好き嫌いの差は7.2ポイントと少ない特徴が見られる。