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【図】男子全体
【図】男子学年別
「将来つきたい職業」は男女差が顕著に表れる項目だが、2022年の小学生男子はどのような職業に興味を持っているのだろうか。
男子の全体ランキングは1位「YouTuberなどのネット配信者」(6.0%)、2位「プロサッカー選手」(4.5%)、3位「警察官」(4.3%)、4位「運転士」(3.7%)、5位「プロ野球選手」「エンジニア・プログラマー(機械・技術・IT系)」(3.3%)となった。女子のトップ20のランキングと比較すると、共通する職業は「YouTuberなどのネット配信者」「警察官」「パティシエ(ケーキ屋さん)」「コック・板前(料理人)」のみで、2021年度調査と比べると共通する職業が減っている。
1位となった「YouTuberなどのネット配信者」は、2021年調査に続き1位となり、今回は単独でトップとなった。2017年から連続して5位以内にはランクインしているため、男子人気が高いのはここ数年変わらない。「YouTuberなどのネット配信者」は男子の小学4年生以外では、各学年でトップ5以内にランクインしている。2020年から続く新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて外に出る機会が減った小学生が多いこと、また「通信機器の利用目的・時間/日」の調査で最も割合が高いのが「動画の閲覧(学習以外の目的)」であったことも、今回のランキングに影響を与えていると考えられる。
その他、2022年は「エンジニア・プログラマー(機械・技術・IT系)」が、男子の全体ランキングで順位を上げて5位(3.3%)になっている。学校でのプログラミングを活用した授業や民間のプログラミング教室の普及、そしてプログラミングを学べるゲーム「マインクラフト」などのヒットの影響を受けて、職業としての関心が高まりつつあるのかもしれない。
2022年の「親が子どもについてほしい職業」の調査では,「専門職(士師業以外の専門資格、高い技術が必要な職業)」(24.8%)が1位だった。小学生男子の全体ランキングで「エンジニア・プログラマー(機械・技術・IT系)」が5位(3.3%)や「会社員」が7位(3.0%)にランクインした結果を比較すると、保護者の希望が小学生男子の将来選択に影響を与えていることを示唆している。
また、例年の男子のランキングの傾向としてスポーツ系の職業(「プロサッカー選手」「プロ野球選手」「その他のスポーツ選手」のいずれか)が、すべての学年で10位以内にはランクインしている。これらは女子のすべての学年の10位以内にはランクインしていない。「親が子どもについてほしい職業」の男子全体では、「プロスポーツ選手」(6.0%)が6位に入っており、女子全体と比べると4.0ポイント高い。相関関係があるか明言はできないが、小学生男子の保護者が小学生女子の保護者よりもスポーツ系の職業に関心が高いことは、小学生男子が小学生女子よりもスポーツ系の職業を希望する結果に、少なからず影響を及ぼしているのではないだろうか。