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【図38】利用している学習サービスはありますか。(複数回答可)
2018年度調査の小学生と比較して、高校生の利用している学習サービスにはどのような違いがあるのであろうか。
2018年度調査の小学生では、全学年を通して、通信教育(オンライン、紙媒体など)の利用者が25.8%と全体の4分の1を占めており、高校生になると利用者の割合は12.7%まで減るものの、依然として人気が高いことが分かる。学習塾の利用者も小学生では補習のための学習塾の利用者が17.1%、進学に備えた学習塾の利用者が6.7%であるが、高校生でも補習のための学習塾利用が10.2%、大学進学のための学習塾利用者が11.0%と一定数の利用者がいる。割合の単純比較から、小学生は中学受験よりも学校の補習、高校生は学校の補習よりも大学受験を意識して塾に行っていると言えるだろう。
しかし、今回の調査で示された小学生と高校生で決定的に違う点は、「スマホやアプリ・ゲーム」の利用である。2018年度調査の小学生では「スマホやアプリ・ゲーム」の利用者の割合は3.4%と低く、保護者が子どもに利用させない理由の1位は「子どもには必要ない」(27.9%)である。これは、通信機器の長時間利用や、子どもの健康への影響等を危惧していることの表れともとれるだろう。しかし、高校生の調査では「スマホやアプリ・ゲーム」は最も利用されている教育サービスとなっている。
この背景には2つの理由があるように思われる。スマホが選ばれる1つの大きな理由に、時間の拘束を受けないという利点があるだろう。部活動、学校行事、通塾、人によってはアルバイトなどで忙しい高校生が、提出期限のある通信教育や、通塾の必要がある学習塾は利用しにくくなっているという事情がありそうだ。2つ目の理由として「スマホやアプリ・ゲーム」が安価に利用できるという点が考えられる。学習アプリの相場は300円程度で、中には無料で提供されるものもある。また、月980円程度の課金で受講できるサブスクリプションモデルの映像授業なども登場している。学習塾であれば月に2~3万円かかるため、費用を考えると、「スマホやアプリ・ゲーム」を選ぶ高校生が多いことは理解できる。自分の好きな時間に受講できる通塾型の映像授業サービスもあるものの、コストの面を考えると安価な「スマホやアプリ・ゲーム」に軍配が上がるだろう。「スマホやアプリ・ゲーム」が高校生にもっとも利用される教育サービスになっている背景には、こうした要因が絡み合っているように思われる。