2023年10⽉23⽇より、アドレスが変更になりました。https://www.gakken.jp/kyouikusouken/
トップページ、⽩書シリーズなど、お気に⼊りに登録されている場合は、お⼿数ですが変更をお願いします。
TOP > 白書シリーズWeb版 > 小学生白書 > 30年史(1989~2019年)
『小学生白書』は、学習研究社(現 株式会社学研ホールディングス)が1946年(昭和21年)の創業時に創刊した、小学生向け学年別学習誌『1~6年の学習』にルーツを持つ。同誌では、読者である小学生がどんなことに興味・関心を抱いているのかを知る手がかりとしてアンケート調査を各年各月実施し、この調査データの分析結果を通して小学生の実態に迫り、学年誌制作に活用していた。
1995年には創刊50周年を迎え『1~6年の学習』と『1~6年の科学』が長期間に渡って蓄積したデータに分析コメントを添えた『’94 小学生まるごとデータ』がまとめられた。その後『小学生白書』と名称を改め、2006年まで冊子の形でまとめられてきた。後に『1~6年の学習』『1~6年の科学』両誌の休刊を経たものの、小学生を対象としたアンケート調査は単独で継続し、2010年以降はウェブ版として毎年「学研教育総合研究所」のホームページ(※1)上で発表されている。
『小学生白書30年史』は、小学生の学習・生活・行動・意識を立体的に捉え、小学生の実態を把握することを目的に実施されてきた『小学生白書』の1989~2019年に渡る過去30年分の調査結果を整理し、当時の社会経済環境と照らし合わせた総合的な分析を試みたものである。
本稿の基となる歴代の『小学生白書』調査を分析するにあたり、留意すべき点が2点ある。一つ目は、調査は1994年以降毎年行われていたわけではなく、不定期に調査データが存在しない年があるという点。二つ目は、2010年を境に、アンケート調査の対象者・対象者数・アンケート方法が異なっていることである。
まず一つ目について、調査自体が行われていない年や、特定の質問が含まれていない調査年があるため、年度や設問によって比較可能な項目が異なる点は留意が必要である。したがって、本稿では現存するデータから読み取れる範囲での考察にとどめ、該当しない年についての分析は含まない。
次に二つ目について、1994年から2006年までの『小学生白書』作成に関わる調査アンケートは、学年誌『1~6年の学習』『1~6年の科学』12誌の読者である小学1年~6年生の男女を対象としている。調査方法としては、『1~6年の学習』『1~6年の科学』に毎号綴じ込まれるアンケートはがきが主だが、設問によっては別途実施したアンケートを集計したものとなっている。調査標本としては、毎月読者から返送される調査はがきの中から、無作為に抽出したほぼ各学年男女各300人、計3,600人が基本(※2)となっている。アンケートを別途実施した場合は、小学1~6年の各学年男女各300人の読者を無作為抽出し、計3,600人に対して郵送によりアンケートを実施した。
先述した通り、『1~6年の学習』『1~6年の科学』両誌の休刊という事情もあり、2007年~2009年まで小学生白書の作成作業は休止していたが、アンケート調査自体は引き継がれ、2010年以降は調査方法をインターネット調査に切り替えて実施している。調査対象者となる小学生は、約150万人~420万人のモニター母集団から調査に協力していただける日本全国の小学1~6年生の保護者を抽出し、保護者付き添いのもとで、本人が回答するように依頼された小学生である。各学年・男女100人ずつとその保護者(計1,200人)が回答者となっている。
『小学生白書』の他に2017年に『中学生白書』『幼児白書』、2018年に『高校生白書』と調査対象を拡げ、これらを含む『小学生白書シリーズ』は、2019年の第13回キッズデザイン賞にて長年蓄積してきたデーが貴重なものとして評価され、キッズデザイン協議会会長賞を受賞した。
※2 母集団は基本的に3,600人だが、年度によって若干の増減がみられる。
2006年以前の調査では、各調査項目の調査結果を「1年生男子〇〇%」「1年生女子〇〇%」といったように小学1~6年生ごとに男女別に各回答者の割合をパーセンテージで記載することが多かった。すなわち、2006年以前は「全学年男女総合」「全学年男子」「全学年女子」という区分での調査結果をまとめた記載は殆ど行われていなかった。そこで本稿では、各調査項目における小学生の回答の変化の多年度に渡る傾向を捉え、わかりやすく表現するために、「全学年男女総合」「全学年男子」「全学年女子」という区分で全体像をまとめた記載を基本としている。ただし、過去の小学生白書作成に関わるアンケート調査の回答データによっては、前述の全体感が見える整理ができないものも存在している。よって、本稿においても各章・各項目全てにおいて上記3つの区分で整理されたものを掲載できているわけではない点にはご留意いただきたい。