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小学生白書30年史(1989~2019年)

【調査テーマ】「小学生の学習・日常の30年を振り返る」

第1部 小学生の学習・学習環境の変遷
1. 学び
(3)習い事
★「水泳」「ピアノ・音楽教室」が定番だが、近年は「学習塾」「英語・英会話」が台頭。

表1-1-(3)- a 習い事(男女総合:2001~2019年)

 

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  • (注1)表中の習い事名の下の数字は回答した児童割合(単位:%)
  • (注2)調査は複数回答形式で実施
  • (注3)調査対象は、2006年までは「1~6年の学習」「1~6年の科学」の読者、2013年以降は人口比率を考慮して日本全国から無作為抽出
  • (注4)「ピアノ」と「音楽教室」、「習字」と「書道」は同一回答にカテゴライズ。「学習塾」は補習塾と進学塾の双方を含む
  • (参考)2018年は習い事全般ではなく、学習サービスのみ選択肢として提示した。その結果は以下の通り。1位「通信機器(25.8%)」、2位「学習塾(23.8%)」、3位「英語・英会話(15.5%)」、4位「スマホアプリ、ゲーム(3.4%)」、5位「オンライン英語学習(3.1%)」

表1-1-(3)-aは、小学1~6年生・男女が行っている習い事上位5位の変遷を示している。全13回の調査結果をみると、2000年代は「ピアノ」、2010年代は「水泳」が連続して1位を獲得している。2000年代は2003年を除いた全ての年で「水泳」が2位を、2010年代は2014年から3年連続して「ピアノ」が2位を占めていることから、小学生の習い事における両者の人気は顕著であり、小学生の習い事の定番として定着しているといえる。身体・五感を活用し、低学年から高学年までの多くの児童が取り組めることが、「ピアノ」「水泳」の人気が高い理由の一つとして推測できる。その他2001年以降の人気上位5位を見ていくと、「英語・英会話」「学習塾」も継続的にランクインしていることがわかる。

男女共通の習い事人気の変遷を見ていくと、次の特徴がうかがえる。2000年代は「習字」と入れ替わるように、「英語・英会話」「学習塾」が徐々に順位を上げ、2010年代は「学習塾」が更に台頭し、2017年以降は3年連続2位を占めている。また、2013年以降は調査の質問に新たな選択肢を加えた結果ではあるが、「サッカー」「通信教育」がランクインするようになり、特に「通信教育」は2019年には2位の「学習塾」と2.5ポイント差で3位に入るなど、存在感を増してきている。これについては、2020年の新型コロナウイルス感染拡大防止のための臨時一斉休校の影響で、学習者がオンライン学習に徐々に馴染んできている状況を考慮すると、今後さらに人気が増加する可能性がある。

表1-1-(3)-b 習い事(男女別:2001~2019年)

 

●男子

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●女子

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  • (注1)表中の習い事名の下の数字は回答した児童割合(単位:%)
  • (注2)調査は複数回答形式で実施
  • (注3)調査対象は、2006年までは「1~6年の学習」「1~6年の科学」の読者、2013年以降は人口比率を考慮して日本全国から無作為抽出
  • (注4)「ピアノ」と「音楽教室」、「習字」と「書道」は同一回答にカテゴライズ。「学習塾」は補習塾と進学塾の双方を含む
  • (注5)2018年は習い事全般ではなく、学習サービスのみ選択肢として提示したため、他の年と異なる結果となっている
  • (参考)2018年は習い事全般ではなく、学習サービスのみ選択肢として提示した。その結果は以下の通り。
  • ●男子:1位「通信機器(25.2%)」、2位「学習塾(23.2%)」、3位「英語・英会話(15.7%)」、 4位「オンライン英語学習(3.5%)」、5位「スマホアプリ、ゲーム(3.2%)」
  • ●女子:1位「通信機器(26.5%)」、2位「学習塾(24.3%)」、3位「英語・英会話(15.3%)」、 4位「スマホアプリ、ゲーム(3.7%)」、5位「オンライン英語学習(2.7%)」

習い事は男女別の特色が顕著に出ている(表1-1-(3)-b)。

まず男子に人気な習い事として、2018年を除く13回の調査全てにおいて「水泳」が1位を占めている点は見逃せない。「水泳」は女子の人気も高いが、男子においては順位だけでなくその割合に着目すると、2000年代は全体の4割を超えており、調査対象が変わった2013年以降も概ね3割超、つまり3人に1人の児童が通っていることになる。

この他、「学習塾」も男子において人気が高い。女子も2006年頃からランキングに登場しているが、男子は13回の調査全てにおいて5位以内についている。さらに男子人気が顕著な「サッカー」についても、日本人選手の海外での活躍もあってか、特に2013年以降は人気が定着し、2013年・2014年は3位、2015年・2016年には2位となっている。

女子に人気の習い事はどうだろうか。「ピアノ・音楽教室」は女子の人気が非常に高いようだ。2018年を除き、女子では2019年まで安定して上位2位以内に選ばれており、特に2001~2006年までは6割を超えており、他の習い事と比較して群を抜いている。この時期は「水泳」以上に「ピアノ・音楽教室」は女子にとって定番の習い事だったようだ。また、「習字」が2016年まで毎年ランクインしている点も特徴的である。「習字」は近年5位圏外に位置しているものの、2000年代は毎年3~5位に入り25~30%超と、3~4人に1人の女子が習っていた。2013~2016年にかけても3位または4位に入っているが、2017年以降は「通信教育」人気の高まりなどを受けてランキング圏外となっている。

男女共通で人気の習い事は、先述したとおり「水泳」、そして「英語・英会話」である。2006年以降は女子も「学習塾」に通う割合が高まるため、現在では男女共に人気といえるだろう。近年になるにつれて、習い事における顕著な男女差は薄まりつつあるが、やはり「ピアノ・音楽教室」は2019年調査でも2位につくほどの女子人気を維持している。

【参考】図1-1-(3)-c  通塾率(男女別:1990~2019年)

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図1-1-(3)-cは、 1990~2019年の約30年にわたる、小学1~6年生男女別の通塾率、すなわち学習塾に通っている児童の割合の推移である。 『1~6年の学習』『1~6年の科学』の読者が調査対象であった2006年までは、男子の15~30%弱、女子の16~30%弱が通塾していた。調査対象がランダムになった2014年以降は、男子の13~23%超、女子の12~24%超が通塾している。

小学生白書Web版 2020年8月調査