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表2-1-(4)-a 通信機器の保有率(男女別:2001~2019年)
●男子
図2-1-(4)-a 通信機器の保有率(男女別:2001~2019年)
●男子
表・図2-1-(4)-a(男子)は、小学1~6年生男子の通信機器保有率の変遷を示したものである。
男子の通信機器の保有率に着目すると、「携帯電話・PHS」の保有率が2001年の4.2%から徐々に増加し、2005年には21.4%、2006年には18.9%と、2000年代には2割前後に達していることがわかる。『小学生白書』の調査は2007年から2016年まで空白期間があるが、2010年代後半の再開以後は保有する通信機器の種類が、「パソコン」、「タブレット」、「スマートフォン」にまで多様化している。
「パソコン」は、2017年に42.8%と多数を占めたが以後急減し、2018年・2019年には30%強に落ち着いている。一方、「タブレット」は2017年の26.9%から2019年には38.9%と2年で保有率が10ポイント以上増加している。「スマートフォン」は2017年の24.8%から2019年の27.8%と微増である。男子の4人に1人以上が「スマートフォン」を保有していると言える状態である。
小学生男子が保有する通信機器として、2010年代後半に最も普及しているのは「ゲーム機」である。2017年の段階で48.8%と保有率5割に迫っており、その後も保有率は増加し、2019年には64.3%とおよそ3人に2人が保有している状態となっており、他の通信機器と比較して突出しているのが大きな特徴である。
表2-1-(4)-a 通信機器の保有率(男女別:2001~2019年)
●女子
図2-1-(4)-a 通信機器の保有率(男女別:2001~2019年)
●女子
表・図2-1-(4)-a(女子)は、小学1~6年生女子の通信機器保有率の変遷を示したものである。 女子の通信機器の保有率に着目すると、「携帯電話・PHS」の保有率が、2001年の9.1%から翌年の2002年には20.4%と倍増、その後も増加して2006年には27.1%と保有率3割に達していることがわかる。これは先述した男子の「携帯電話・PHS」の保有率よりも高い数値となっている。2010年代後半の再開以後は保有する通信機器が、「パソコン」「タブレット」「スマートフォン」にまで多様化している点は男子と共通している。
「パソコン」は、2017年に38.7%と女子の人気も高かったが、以後急減し、2019年には25.4%と男子以下の保有率に落ち込んでいる。一方、「タブレット」は2017年の28.9%から2019年には34.8%と増加しているが、同期間に保有率が10ポイント以上増加した男子ほどの増加率ではない。「スマートフォン」は2017年の26.5%から2019年には32.8%に増加し、保有率3割を超えて男子以上の人気を博している。小学生女子の3人に1人がスマートフォンを保有していると言える状態であるが、この背景として、保護者が子どもの安全面を考慮して持たせている可能性が推察される。
保有率の変遷を追っていくと、女子にとっても「ゲーム機」は人気の高い通信機器であることがわかる。ただし、保有率は2017年段階で男子の48.8%と比較して女子は34.4%、2019年には男子64.3%に対して女子43.5%と、15~20ポイントに及ぶ差がついているのが特徴的である。また、「ゲーム機」に偏りつつある男子と比較して、「スマートフォン」「タブレット」「ゲーム機」に分散しているのが女子の特徴といえるだろう。