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小学生白書Web版 2011年6月調査<速報版> 調査結果

家庭で決めていた災害時対応

★災害時に保護者が子どもの近くにいない場合の対応を決めていない家庭が多い
Q8 東日本大震災(3月11日)が起こる前に、家庭でお子さんと次のことについて、話し合ったり、約束をしたりしていましたか(N=927)。

図A-12 震災前に、家庭で子どもと決めていた災害時の対応

今日、小学生の保護者には仕事に就いている人が増えている。そのため、災害時に、必ずしも保護者が子どもの近くにいるとは限らなくなってきている。この調査でも、震災時に、学校からの下校後、子どもが1人になった時間があったと回答する家庭が約2割と、少なからず存在していた。各家庭では、保護者が子どもの近くにいない場合も含め、災害時の対応について、子どもと何かしらの話し合いや取り決めをしているのだろうか。

東日本大震災(2011年3月11日)が起こる前に、家庭で子どもと話し合ったり、約束をしたりしていたことは、図A-12の通りである。「地震が起こったときに、すぐにとるべき行動」を子どもと決めていた家庭は約7割であった。「災害時の、家族全員の最終的な待ち合わせ場所」を話し合っていた家庭は約3分の1強である。「災害時の保護者との連絡の取り方」や「災害時に、保護者と連絡が取れないときの行動」に関して話し合ったり、約束していたりする家庭は3分の1程度であった。

「地震が起こったときに、すぐにとるべき行動」に関しては、大方の家庭は子どもと予め決めていたようである。しかし、保護者が子どもの近くにいない場合、どのような行動をとるのかを子どもと話し合ったり、決めていたりした家庭は比較的少なかったことがわかった。今日の保護者の状況を踏まえれば、保護者が子どもの近くにいない場合も想定して、災害時に子どもがとる対応について家庭内で話し合っておくことが重要になってきているのではないだろうか。

(明治学院大学非常勤講師:渡辺 恵)

 

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