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図A-13 震災経験後の子どもの行動の変化(「あてはまるもの」,複数回答)
大震災を経験した後、子どもたちの行動に変化はあったのであろうか。図A-13は、東日本大震災を経験して子どもたちに見られた行動の変化を示したものである(「特に変化は見られなかった」以外は複数回答)。
最も多く挙げられた行動の変化は、「電気をこまめに消すようになった」ことである(46.1%)。おそらく各家庭では3月の計画(輪番)停電以降、「一人一人が電気を使いすぎると、停電になるおそれがある」と、節電に励んでいることと思われる。子どもたちの半数近くが「電気をこまめに消すようになった」のは、電気の使い過ぎが停電を招きかねないという自らの生活に直結する問題であったこと、そして「電気をこまめに消す」ことは子どもでも取り組みやすい対策であったことによるものと考えられる。
次に多く見られた行動は、「新聞やニュースを見るようになった」ことである(32.9%)。震災から約3ヶ月が経った6月時点(調査時)で、震災以前よりも「新聞やニュースを見るようになった」子どもが全体の3分の1ほどもいたことは、東日本大震災が子どもたちに世の中の動きに関心を持たせるきっかけとなった大きな出来事であったことを示すものといえよう。また、「地震について調べるようになった」子も 16.9%を数えた。東日本大震災がもたらした被害や地震のしくみなどに関心を持ち、自ら調べる子どもは少なくないようである。
震災以降、街のあちこちで、あるいはインターネットや電話回線を通じたさまざまな方法で募金活動が行われた。学校の児童会などで募金活動を行った小学校も少なくないだろう。この調査でも「募金をするようになった」子は26.8%と約4分の1に達している。金額の多寡が問われない募金は、子どもたちに「自分のできる範囲でできること」をさせることにつながったほか、募金活動が行われている場所の多さは募金のしやすさに貢献したと考えられるだろう。
(宮崎大学特任助教:遠藤宏美)