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石井久雄(明治学院大学准教授)
3月11日午後2時46分頃に発生した東日本大震災。警察庁発表によれば、死者15,829人、行方不明者3,679人となり、東北地方を中心に、未曾有の被害をもたらした(2011年11月2日現在)。
首都圏においても、東京(新宿区)で震度5弱の揺れを記録し、人々は様々な困難に直面した。困難の一つは、小学生の下校に関することである。電話やメールがつながらず学校と連絡が取れない、保護者が帰宅難民になり子どもと会えない等々。子どもが帰路につこうとしていた時間帯に発生した地震であったこともあいまって、小学生の下校をめぐり様々な問題が生じていた。
そこで、我々は、保護者の視点から3月11日の小学生の下校に関する実態と課題を明らかにし、災害時における下校のあり方を探ることを目的として調査を実施した。あの日、下校はどのように行われ、どのような問題が生じ、人々はどのように思ったのか。また、学校の防災への取り組みへの意識はどうであり、震災は子どもたちにどのような変化をもたらしたのか。さらに、あの日の経験は、単なる学校批判、保護者批判ではなく、今後の災害時における下校のあり方にどのように活かしていくことができるのか。
以下では、全体的な傾向をおさえた上で、学年別からみた分析、家庭状況の観点からみた分析、下校方法別からみた分析等を通して、あの日の実像に迫っていく。