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遠藤宏美(宮崎大学特任助教)
では、本調査の単純集計結果(N=927)から、東日本大震災発生当時の家庭の様子を見てみよう。
発生当時、「自宅に誰か大人がいたかどうか」(図1-1)では、約6割(61.3%)が「いた」と回答している。地震発生が下校間際の時間帯であったことから、家で子どもを迎えるために大人の在宅率が高かったとみられるが、「(誰も大人が)いなかった」という家庭も約4割(38.7%)と、決して少なくない割合であった。発災がもう少し早い時間帯であれば、大人の在宅率はより低かったかもしれない。このことを踏まえると、大人が在宅していない状態で災害が起こることを想定して、学校での避難や子どもの下校に関する対策を立てることが求められるのではないだろうか。
図1-1 東日本大震災発生時の大人の在宅状況(N=927)