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小学生白書Web版 2011年6月調査>分析編>

第4章 下校方法別にみた東日本大震災時の下校の実態

(明治学院大学准教授:石井久雄)

3.引き渡しの実態と課題
(1)引き渡しの実態

 震災当日、学校での「引き渡し」で、子どもを迎えに行った人は誰なのか(図4-5参照)。 「保護者」(89.6%)が9割近くにのぼっており、圧倒的多数である。「祖父母」(5.7%)や「お兄ちゃんお姉ちゃん」(2.2%)といった近親者がお迎えに行った家庭も、1割近くいる。

棒グラフ

図4-5.学校に子どもを迎えにいった人(N=403 複数回答)

 震災という危機的な状況にあっては、子どもにとって最も身近な親族がお迎えに行くという傾向が顕著にみられる。記載できる人数等、「引き渡しカード」に関する検討事項はあるが、将来を見通したとき、「引き渡し」のお迎えに関して、親族だけでは対応できない場面が出てくると予測できる。「子どもの友だちの保護者」(2.5%)、「近所の人」(1.0%)といった地域コミュニティの支援も積極的に考えていく必要がある。