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(明治学院大学准教授:石井久雄)
前述したように、東日本大震災(3月11日)が起こったとき、首都圏の子どもたちは、「引き渡し」(43.5%)か「集団下校」(40.3%)によって下校した者が大多数であった(図4-2参照)。
そこで、「引き渡し」と「集団下校」に注目し、両者の下校方法に対して、保護者がどのように捉え、どちらの下校方法がより安心できると考えているのかを探ってみることにしよう。
まず、引き渡しと集団下校では、下校の大変さに違いがあるのであろうか。図4-7は、「東日本大震災(3月11日)のとき、自分の子どもの下校について大変に思った」かについての結果を下校方法別に示したものである(「とても大変だった」と「まあ大変だった」の合計の割合)。
図4-7.下校方法別に見た「下校の大変さ」
「引き渡し」と「集団下校」の結果のみに注目してみてみると、「引き渡し」では「大変だ」と感じた者は36.7%、「集団下校」では「大変だ」と感じた者は28.3%となっている。「集団下校」よりも「引き渡し」の方が、下校が大変だったと回答する者が多くなっている。「引き渡し」は、子どもを学校に迎えにいくために、必ず外出しなければならず、ある意味で労力がかかる。しかし、「集団下校」は、保護者が不在であった等のトラブルさえなければ、子どもの方から家に帰ってきてくれるので、保護者にとって楽な側面もある。そうした要因が、調査結果に表れているのではないかと考えられる。