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小学生白書Web版 2011年6月調査>分析編>

第2章 学年別にみた東日本大震災時の下校の実態

角替弘規(桐蔭横浜大学准教授)

1.防災計画の認知度
(4)震災後の意識の高まり

 震災後、学校の防災対策に対する意識の変化について尋ねた質問の結果をまとめたものが表2-3である。

表2-3 「あなたのお子さんが通っている学校の防災に関して、現在以下のことを知っておく必要があると思いますか」への回答(「知っておく必要がある」のみ。%、N=927)

  知っておく必要がある
学校の防災計画について 92.8
災害時の子どもの下校方法について 98.5
災害時における学校との連絡手段について 98.5
避難訓練等の防災教育について 91.4
通学路で、災害時に危険になる場所や安全な場所について 97.4
学校の施設・設備の安全点検について 92.6
学校が避難所に指定されているかどうかについて 96.1

 いずれの項目においても9割以上の保護者が「知っておく必要がある」と回答しており、震災を契機として防災対策についての意識が高まっていることがうかがえる。学年や保護者の性別あるいは震災時の在宅状況等について比較してみても、いずれの項目についても同じ傾向が観察された。中でも、「災害時の子どもの下校方法について」、「災害時における学校との連絡手段について」、「通学路で、災害時に危険になる場所や安全な場所について」の3項目については他の項目よりも高い割合で「知っておく必要がある」との回答が得られた。震災時の経験がこうした回答傾向に影響を与えていると思われる。