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【図B-1】小学生の好きな食べ物・嫌いな食べ物(全体1236人 複数回答)
好きな食べ物
嫌いな食べ物
小学生の「好きな食べ物」のトップ3は、おすし(54.9%)、ラーメン(29.7%)、カレーライス(23.9%)であり、「嫌いな食べ物」のトップ3はやき魚(25.2%)、サラダ(15.5%)、さしみ(10.2%)であった。特に性差は見られなかった。
「おすし」が好きで、「やき魚」「さしみ」が嫌いという結果は興味深い。いずれも魚介類を食材とする食事であるが、素材よりも調理法により「好き」「嫌い」が分かれていると考えられる。
また「おすし」から回転ずし店を連想すると、他の「好きな食べ物」の上位にランクされている食べ物からは、ファミリーレストランや焼き肉店での食事メニューを連想できる。家族でこのような食事をとり、その外食風景を肯定的に捉えている小学生の姿も想像できた。言い方を変えると、「好きな食べ物」には、外食で食されるメニューが多く、「嫌いな食べ物」には、家庭で日常的に食卓に上がるメニューが多いということになる。
課題となるのは「ファストフード」の人気であるが、これらの人気は現在に限ったことではないと思われる。安価な値段で子どもの単純な味覚を満足できる食事に人気があるのは当然であり、このような食事をうまく組み合わせながら日々の食事ができているのであれば、問題はないと思われる。
もう一点、興味深い結果として、「好きな食べ物」・「嫌いな食べ物」それぞれの「そのほか」の率に注目したい。「好きな食べ物」で、語群以外の「そのほか」を選んだ小学生は3.4%、「嫌いな食べ物」で語群以外の「そのほか」を選んだ小学生は49.4%であった。つまり、小学生が「好き」と思う食べ物はある程度限定されているのに対し、「嫌い」と思う食べ物は分散しているということになる。この結果を「偏食」と見るか、食への「拘り」と見るかは難しいのであるが、本調査結果では、この結果を問題視すべき他の要因は見つけられなかった。
(埼玉学園大学准教授:布村育子)
【表B-1-①】小学生の好きな食べ物(全体1236人 男子618人・女子618人 複数回答)
【表B-1-②】小学生の好きな食べ物(男子 618人 複数回答)
【表B-1-③】小学生の好きな食べ物(女子 618人 複数回答)