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「あなたが勉強をしていて嬉しく思うことはどんなことですか?」という質問については、自由回答方式でも答えてもらった。それによると、選択肢での回答では表れない小学生の率直な気持ちが分かる。以下で、主な声を紹介してみよう。
自由回答で最も多いのは、読み書き計算に関わることだった。読み書き計算は、小学校で学ぶ最も基本的なことであり、それらのスキルが習得できたときに喜びを感じる子どもが多かった。
読み書きの中では「文字」や「漢字」に関する回答が多い。「字(漢字)が(きれいに)書けるようになった」「漢字が読めるようになった」は男女・全学年を通じて多いが、とくに低学年では多い。小学1年生では「自分の名前が漢字で書けるようになったとき」という回答も多く、なかには「友達や家族に手紙が書けるようになった」といった声もあった。中学年くらいからは、「本が読めるようになった」ことに喜びを感じる子どもが多くなるようだ。また、外国語学習との関連で、「英単語を覚えたとき」など「英語」についての回答もあった。
読み書きと同様、「計算」に関する回答も多い。とくに低学年では、「九九が言えるようになった」とか「足し算引き算ができるようになった」が多く、学年が上がるにつれて、「繰り上がり・繰り下がり計算ができるようになった」「2ケタ・3ケタのかけ算ができた」「分数ができるようになった」「コンパスや定規が使えるようになった」「図形の問題(たとえば面積の計算)が解けた」「文章題(たとえば鶴亀算)が解けた」といったときに喜びを感じた、など多様な回答が増える。なかには、「お父さんがおつりをごまかそうとしたのを見つけたとき」(女子・小学4年生)というユニークな回答もあった。
読み書き計算といった基本スキルの習得以外では、「テスト」や「点数」に関わる回答が多く、とくに中学年以降はそれが増える傾向にある。また、単に「テストで良い点数をとった」だけではなく、親や先生からほめられて嬉しかった、と感じる子どもが多い。低学年などでは、「先生から花まるをもらった」ことも強く印象に残るようだ。他の項目でも、単に「○○ができるようになった」に加えて「ほめられること」の意味の大きさが表れている。
読み書き計算以外でも、さまざまな回答があった。「逆上がり」「跳び箱」「水泳」「縄跳び」「自転車」など身体に関する技能を身につけたとき、「授業のとき友達といっしょに発表してほめられた」「友達といっしょに勉強した」「お父さんといっしょに自由研究をした」など他者と協力して何かをなし遂げたとき、「全都道府県名を言えるようになった」のように新しい知識を得たとき、といった回答や、コンクールなどで賞をとったときを挙げる回答もあった。
総じて、子どもがどういうときに喜びを感じるかをパターンに分けると、それまでできなかったことができるようになったとき、知らなかったことを知ったとき、他の人からほめられたり認められたりしたとき、他の人と協力して何かを行ったとき、などに分けられそうだ。