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現在、公教育の仕組みが大きく変わろうとしています。学校現場の指導まですべて行っていた国(文部科学省)の役割が、教育の基盤整備(学習指導要領や教員の人件費負担等)と教育の成果の検証(全国学力調査等)に限定されます。現場については、教育委員会や学校の裁量に委ねられるようになりました。
これは地方分権という大きな流れに沿うものですが、同時に地域の財政事情や教育への関心度によって、教え方や教員、教材の質などに格差が生じることも起こりえるということを示します。仮に国による教員人件費の負担がなくなった場合、40道府県で財源不足が生じます。しかも、地域によって不足額が大きく異なります。
教育改革に熱心なリーダーがいる地域では、独自の教科書が使われたり、4・3・2という学年制が敷かれたり、といった独自の教育施策が行なわれます。
「ゆとり教育」が学力低下を生み、私立学校の人気が上昇、一時低迷していた塾産業が復活したように、今や国の教育政策の変更は、子どもや保護者の教育ニーズに大きな影響を与えるようになっています。
私たちは今後も、一般のメディアでは得られない国や地方の教育政策の情報をいち早く入手することで、専門的な情勢分析から、多くの方に新たな教育課題を提示していきたいと思います。
1990年代から始まった自由主義・市場主義的な教育改革は、近年急速に進みつつある。昨年10月に出された「義務教育の構造改革」は、地方の教育現場に大幅な裁量を持たせながら、国は新たに「結果の検証」という新たな役割を持った。今も、新たな枠組みが誕生する国の教育政策について、その真のねらいを有識者に聞く。
( )は「New教育とコンピュータ」掲載月号