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シリーズ「教育大変動」を語る
第10回
教員のストレスは、残業減では解決しない!
「働き方」とストレスの因果関係を調査
- 古川:
- 労働科学研究所では各産業分野の労働環境を調べておられますが、今回「教職員の健康調査」という形で教員を調査対象に選んだ理由は?
- 酒井:
- 以前は工場などで働く人の労働環境を調査することが多かったのですが、現在労働者の3分の2は第三次産業、サービス業に従事しています。そこで、近年はそのような分野で働く人の健康と安全についても調べています。
なかでも、人と密接に向き合って行われる業務は、医療や福祉、教育の分野です。どの分野も高度な専門職でありながら、労働環境はあまり良くありません。
例えば医師の当直は勤務時間として定義されていないのです。それでも急患が来れば対応しなければなりませんので、その医師は治療などで眠れないことがあっても、翌朝から通常の勤務を行うことになります。
- 古川:
- 教員も毎日たくさんの子どもたちに対応し、さらに雑務が多いため多忙感が強く、労働環境が悪化しているのはだれもが感じているところですね。
- 酒井:
- この調査では、教員の方たちがどういう働き方をし、どのような健康状態にあるのかを聞き、統計をとって結果の数値を示すことだけを目的にしたのではありません。
因子分析や共分散分析という方法を使って、各項目が互いにどういう関係にあるのかを調べることで、精神疾患の原因のひとつであるストレスを感じる要因を明らかにしたいと考えたのです。
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