TOP > 研究分野 > 教育情報研究分野> シリーズ「教育大変動」を語る
シリーズ「教育大変動」を語る
第4回
「全国的な学力調査」の真のねらい
世間の厳しい目に応えてほしい
- 古川:
- 調査をした結果いろいろなデータが出ると思いますが、それらはどのように活かされるのでしょうか?
- 梶田:
- 一つはまず質問紙調査ですね。これは関心とか意欲、さらに生活習慣について調べます。あるいは先生や友だちとうまくいっているかどうか。そういういわば教育や学習を支える諸条件です。まず、このあたりの分析があるでしょうね。
例えば学習習慣であるとか家庭での生活習慣、あるいは学校生活でも気持ちの動きみたいなものと学力がどういうふうになっているかということで、これは、すぐに指導に生きてきますね。
それから第2番目は、学校の立地条件とか施設設備、教材の量、図書の量などと、子どもの学力との関係を分析する必要があるでしょうね。
私は、これらの条件は子どもの読書量、それからもっと言うと読解力、さらには、勉強の意欲にまで響いているだろうと思っています。
- 古川:
- このテストが導入されることによって、先生たちの仕事の在り方はどのように変わるのでしょうか?
- 梶田:
- 今教員に対して世の中から極めて厳しい目が向けられています。例えば政府部内で全く異なる二つの教員政策が出ているわけです。われわれ中教審では、先生方の給料を保証しろ、子どもたちと先生の比率をもっと改善しようということで、ずっと議論をしてきたわけですが、片方の総務省、財務省の側からは、人材確保法案の廃止、少子化に対応した人員の削減などが言われています。
それはやはり、残念ですが中には甘い考えをもった教員がいるということです。こういう時期だから「私たちは頑張りますよ」、「私たちが使命感を持ってこれに取り組みますよ」という熱っぽい姿を表してもらいたいですね。
▲このページのトップに戻る