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シリーズ「教育大変動」を語る
第7回
「教職大学院は制度として定着するか?」
教員養成の学部、大学全体の衣替えを期待
- 古川:
- 先生は、この教職大学院を教員養成、教員研修全体のなかでどのように位置づけておられますか?
- 梶田:
- 将来的には教員の研修や教員の養成は教職大学院をメインにするということを考えなければいけない。フィンランドでは6年制の教員養成がとられておりますが、わが国でも6年間で行ったほうがいいと中教審答申でも出ています。「高度専門職としての教師」という社会的イメージを確立する意味からも、どんどん子どもが変わってカリキュラムも高度化していく中での専門性を本当に身につける上からも、マスターを取って教壇に立つことを当たり前の姿にしなければいけない。むしろそれが、最低限になるべきだろうと思います。
- 古川:
- そうすると、新たにつくるというよりは、教員養成系の大学が衣替えをするというイメージでしょうか?
- 梶田:
- そうです。私は、その言い方が適切だろうと思います。教育分野の大学院を、ごく一部のアカデミックなものは残しながらも、そのほとんどを教職大学院的なものにしていくこと。さらに、それが学部教育の部分にも、根本的な変化をもたらすということを期待しています。
- 古川:
- 現場の理解はどこまで得られるでしょうか?
- 梶田:
- 問題となるのは教員の人件費です。小・中学校の教員の人件費はその3分の2を都道府県が持たないといけないわけですから。もう一つ、人事を動かしていく中で、2年間というのは現場にとって厳しい。これに対してわれわれは、2年間に見合う力量の向上が確実に図られることを理解していただくしかないと考えています。2年間ぐらいやらないと、共通科目も含めた新しい教職大学院のカリキュラムはこなせないからです。
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