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研究分野:教育情報研究分野

シリーズ「教育大変動」を語る

第5回

「なぜ、教育においても規制緩和なのか?」

教育バウチャーの導入と教育委員会の廃止
古川:
 学校の質を担保する施策として、規制改革会議では、学校選択制の完全実施と教育バウチャー制の導入を主張しています。
戸田:
 それらの制度を支持しているのは、学校が選ばれる対象になることで、学習者によって丸ごと鍛えられるからです。先生方の児童生徒に対するホスピタリティも出てきます。

 学校選択制のない地方では、学校によっては服装や頭髪が乱れているからと授業をうけさせないで家に帰すといったことなど、教育サービスを行っているという意識がまるでない。自分たちが好き勝手に生徒を選んでいるという感じです。これまでの「上から与える教育」から「学習者が選ぶ教育」に転換することが、飛躍的に教育を良くする方法だと思います。

 児童生徒の数に応じて予算配分する教育バウチャー制の方が、身体の障害、軽度の行為障害、片親、経済的に非常に貧困といった、いわゆるハンディのある児童生徒たちに、普通の児童生徒の3倍4倍出すよう配慮できる。そうしたら学校側だって喜んで受け入れるでしょう。画一的な機関補助より学習者本位に税金を保証して補助するほうが、実に理にかなった制度だと思います。
古川:
 教育委員会制度の見直しも検討されていますが、小坂大臣はそれを認めない旨の発言しています。
戸田:
戸田忠雄 学習者が教育の主導権をもつべきという観点からすると、公立学校の場合、校長も含め教員はみな公務員で(教育委員会の主事たちも同じです)、学習者が選ぶなり検証することができない。わが国のように成熟した民主社会では、地域住民から信託されている自治体首長が、教育委員会を指導するなり、それに代わるものを首長部局に設置するなりして、必置規制を緩和したほうが学習者のためにはいいと考えています。現在の教育委員会は、上意下達の機関になっているだけで、学習者の権利を守るという意識が希薄です。
古川:
 首長が替わることによって、教育の方針が変わるということ、また政治的に教育が利用されるという問題はないでしょうか?
戸田:
 先ほども言いました政治的中立の原理もナショナルミニマムとして、行為規範が決められていれば、それらについては何も問題はないと考えています。

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