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遠藤宏美(宮崎大学特任助教)
最後に、子どもが「理科好き」になるために家族はどのようにかかわればよいのか、調査結果からヒントを得てみたい。
まず、子どもが理科的なことに興味・関心を持ったときに、それに付き合ったり理解を示したりする大人が家族にいるかどうかと、子どもの「理科好き」との関係を見たものが、図3-19である。全体を見ると、子どもの理科的な興味・関心に理解を示す大人の家族が「いない」家庭において子どもが「理科好き」である割合が55.4%であるのに対し、「誰か一人はいる」場合には75.9%、「2人以上いる」場合には83.0%である(8)。子どもが理科的なことに興味・関心や関心を持ったとき、家庭の中に理解を示す大人がいる場合といない場合とを比べると、そうした大人がひとりでもいるほうが「理科好き」な子どもが多い傾向が明らかである。
男女別に見てもその傾向は同様であるが、男子と女子とでは若干様相が異なる。男子の場合、「誰か一人はいる」:85.0%と「2人以上いる」:88.6%に大きな差がなく、これらと「いない」:69.4%との差が大きいことから、子どもの理科的な興味・関心に理解を示す大人が「いる」か「いない」かが重要であることがわかる。一方、女子では、「いない」が45.8%であるのに対し「誰か一人はいる」は66.5%と、「いない」より「いる」ほうが「理科好き」が多い傾向にあるのは男子と同じであるが、さらに「2人以上いる」は76.9%と約10ポイント増加する。すなわち、女子の場合、子どもの理科的な興味・関心に理解を示す大人が家族の中にいることに加え、そうした大人がひとりよりは複数人いるほうが「理科好き」を育みやすいことがわかる。
図3-19 理科的な興味・関心に理解を示す大人の家族の有無・人数と、子どもの「理科好き」との関係(男女別)
数値は、子どもが「理科が好き」(「とても好き」+「まあ好き」の合計)と回答した割合