TOP > 小学生白書Web版 > 2012年7月調査

小学生白書Web版

小学生白書Web版 2012年7月調査

第1章 保護者の属性から見た子どもの「理科好き」

角替弘規(桐蔭横浜大学教授)

おわりに

第1章では保護者の職業・所得・学歴などの社会的属性に着目し、子どもの理科の選好傾向の違いについて考察してきた。子どもの理科の選好傾向は、その保護者の属性に一定程度の影響を受けている可能性があることが分かった。学校教育現場においては、全ての子供が全く等しい条件にあるという前提に立つのではなく、どのような子どもであってもそれぞれの背景がありそれぞれに異なった学習環境にあるということを前提にとらえる必要があるだろう。それはこの社会として、科学技術振興を考えるうえでも重要であろう。すべての国民とその子弟が、まったく同じ背景を持ち、同じ学習環境の下にあるのではない。すべての過程はそれぞれに異なり、恵まれた家庭もあれば恵まれない状況下にある家庭もある。その中で、何を重点視して、科学技術振興や理科教育を進める必要があるだろうか。今後も慎重にそれらを見極めていく必要があるだろう。

▲このページのトップに戻る

小学生白書Web版 2012年7月調査