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角替弘規(桐蔭横浜大学教授)
次に、保護者の世帯年収別に子どもの理科の選好傾向に何らかの違いがあるかどうか、検討してみよう。
まず、今回の調査における回答者の世帯年収の概略を示しておこう。 図1-2は回答者のうち「わからない・無回答」(154名)を除いた分の世帯年収の分布を示したものである。
図1-2 世帯年収の分布(N=874)
図に示すとおり、最も回答が多かったのは年収400~600万円で全体の約33%を占める。次に600~800万円で約22%、その次が200~400万円で約18%であった。年収1000万円以上と回答しているのは全体の約7%であった。一方で年収200万円未満と回答しているのは全体の約3%であった。
今回の調査における回答者の平均年齢は41.4歳であった。厚生労働省の調査(1)によれば、世帯主が30~39歳の1世帯当たりの平均所得金額は約551万円、40~49歳の場合は約678万円という結果が示されている。また、「夫婦と未婚の子のみの世帯」の平均所得は約718万円、「児童のいる世帯」の平均所得金額は約697万円という結果が示されている。このような値と比較した場合、今回の調査における回答者の世帯年収は、全国的な平均値とほぼ等しいか、あるいはそれらを若干下回るという位置づけとなろう。回答いただいたサンプル集団は極端に所得が高い集団というわけでもなく、またその逆でもない、平均的な構成をもった集団であると捉えることができる。