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TOP > 小学生白書Web版 > 2010年9月調査 > 第4章 「勉強ができる子」の今どきの姿
渡辺恵(明治学院大学非常勤講師)
図4-3は、「習熟度」3グループ別にみた家庭での勉強時間である。
図4-3.「習熟度」3グループ別にみたふだんの家での勉強時間(塾の時間を除く)
「習熟度」の上位グループでは、「2時間以上」の勉強をしている子どもが17.7%である。中位や下位グループでは、3.4%と3.7%と、少ない。反対に、勉強時間が「30分以下」の子どもは、上位グループでは34.7%、中位グループで45.3%、下位グループでは56.9%と、「勉強が苦手な子ども」ほど勉強時間が短いことがうかがえる。
この違いは平均勉強時間から捉えるとより鮮明になる*注1。平均勉強時間では、上位グループが約68分、中位グループが約51分、下位グループが約44分であり、「勉強が得意な子ども」ほど比較的長い時間家庭で勉強する傾向にあることがわかる。
なお、家での勉強時間は、中学受験をする場合、当然ながら長くなると考えられる。「習熟度」3グループ別でみた場合、上位グループでは中学受験者が多いため、そのことが勉強時間の長さに影響を与えているとも考えられる*注2。そこで、中学受験希望の有無を統制した上で、再度、家庭での勉強時間の長さを確認しておこう。
中学受験を希望しないあるいは未定の子どもを取り出し、「習熟度」別の平均勉強時間をみると、上位グループでは約55分、中位グループでは約49分、下位グループでは約42分であった。上位グループと下位グループとの勉強時間の差は13分程度と大きなひらきではないが、中学受験をしない子どもにおいても「勉強が得意な子ども」の方が家庭で勉強する傾向にあることが確認できる。
以上のことから、「勉強が得意な子ども」は、家庭でも勉強する傾向があり、自分の力でコツコツと学ぶ習慣を身につけている子どもであると思われる。
<注>