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TOP > 小学生白書Web版 > 2010年9月調査 > 第4章 「勉強ができる子」の今どきの姿
渡辺恵(明治学院大学非常勤講師)
「習熟度」3グループ別にみた希望する進学段階は、図4-6に示すとおりである。
図4-6.「習熟度」3グループ別にみた進学希望する学校段階
「習熟度」上位グループでは、希望する進学段階が「わからない」と回答する子どもは18.4%であるのに対して、下位グループでは26.6%である。「勉強が得意な子ども」の方が進学に対して明確なビジョンを持つ傾向にあることがわかる。
進学を希望する学校段階をみていくと、上位グループでは、大学までの進学を希望する子どもが63.3%と一番高く、次いで大学院の9.5%となっている。それに対して、下位グループでは、大学までの進学希望者が37.6%であり、次いで高校の19.3%が高くなっている。
「勉強が得意な子ども」は小学校の時点で進学に対するビジョンをしっかりと持っており、進学段階を大学以上に定めている者が多い。「勉強が得意な子ども」の方が高学歴志向であるといえよう*注3。
この背景には、保護者の影響があると思われる。学力の高さは家庭的な背景が影響していることが指摘されている(耳塚2007)。学力の高い子どもには、高学歴の獲得を望む保護者が多いという。もしそうであるならば、「勉強が得意な子ども」ほど、早い時期から保護者から大学進学に関する情報を聞かされてきているのではないだろうか。それによって、「勉強が得意な子ども」は大学以上の進学というビジョンを持つようになっているのではなかろうか。
<注>